コミュニケーション研修

ビジネスで必要とされるコミュニケーションの基本スキルを学ぶ

コミュニケーションとは

1.コミュニケーションとは

そもそも、「コミュニケーション(communication)」の語源は、 「共有の」とか「共通の」というような意味を持つラテン語の「コムニス(communis)」であるといわれています。
コミュニケーションを定義するならば、やや難しい表現になりますが、『複数の人間・組織・社会という個体相互間において、広い意味における「情報」を言語や非言語の方法を使って、交換し合い、その結果を共有し、お互いに影響し合う過程』といえます。

例を挙げてご説明します。
例えば、あなたが先輩に依頼され、急いでお客さまへの提案資料をまとめたのに、実際には、提案に使われなかったとしましょう。

❶ 「資料は使われなかった」という結果の情報だけをフィードバックされた場合
❷ ❶に加え、使われなかった原因が、先に別の提案を行うためで、次回は使われる予定であることもフィードバックされた場合
❸ ❷に加え、「急いで作ってもらったのにもうしわけない」とメモ書きが添えてあった場合
❹ 先輩から直接「急いで作ってもらったのにもうしわけない」と言われ、先輩の態度からも申し訳ないという感情が伝わった場合

以上の4つのコミュニケーションがとられた場合を想像してください。

 

研修の狙い

  • 職場活性化・人間関係の構築に必要とされるコミュニケーションの重要性を認識する
  • 日々のコミュニケーションの中で起こるギャップを知り、相手の立場に立ったコミュニケーションの取り方について学ぶ
  • より良い人間関係を築くための具体的なコミュニケーションスキルを身につける

コミュニケーション研修を受講し、正しい知識・スキルを身につけることは、社内の情報共有の円滑化による生産性の向上、取引先や顧客との関係性の向上、離職率の改善など様々なメリットが期待できます。そのため誰しもがコミュニケーションを学ぶ必要があります。
ビジネスにおいてコミュニケーションは、プレゼンテーション、報連相、傾聴力、ファシリテーションなど多様に分類することができ、それぞれに必要な知識・スキルがあるため、独学で学ぶには時間と労力がかかってしまうという課題がございます。
そこで当社では学びたい知識・スキルに応じた研修やセミナーを多数ご用意しております。実績のある専門の講師陣が解説いたしますので、コミュニケーションについて効率よく学ぶことが可能です。ページ下部に関連セミナーをご紹介しておりますので、ぜひご確認ください。

 

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.コミュニケーション力はビジネスパーソンの基本

(1)なぜコミュニケーションが必要なのか
(2)職場でのコミュニケーションの現状【ディスカッション】
(3)活性化した職場にするために
(4)成果を出し続けるために必要なコミュニケーション力

2.効果的なコミュニケーションが成果につながる

(1)ミスやトラブルはコミュニケーション不足が原因
(2)言葉にしなければ相手の理解は得られない
(3)相手を常に理解する意識でいる

3.職場のコミュニケーションギャップを知り、相手の立場を考える

(1)現状のコミュニケーションギャップ【グループワーク】
(2)コミュニケーションギャップに対して感じていること
 ①自分がしてきたこと
 ②意識はしているができていないこと

4.コミュニケーションスキルの習得

(1)自身の傾向を認識する【自己診断】
(2)自身の印象管理:表情・姿勢・身だしなみ
(3)言葉の使い方
 ①相手の立場に立った話し方
 ②クッション言葉
 ③YOUメッセージとIメッセージ
(4)傾聴力を高める
 ①うなずき、相づち
 ②ペーシング
 ③オウム返し
 ④言い換え
 ⑤オープンクエスション・クローズドクエスション
(5)相手にわかりやすい伝え方
 ①話す順番
 ②YES-BUT法
 ③PREP法とSDS法

5.活気ある職場に向けて

(1)周囲の変化や行動を気にかけた対応
(2)プラスαの仕事を常に意識して取り組む

6.明日からのコミュニケーション力アップに向けた主体的行動計画

7.まとめ

コミュニケーションの定義

私たちは、ビジネスにおいても、日常生活においても「コミュニケーション」という言葉を頻繁に使います。
「上司と部下のコミュニケーションが十分でない」「他部とのコミュニケーションが上手くいかない」「選手間のコミュニケーションの充実」など、個人間や組織間の問題の原因や改善の糸口をコミュニケーションに求める会話の例は、枚挙にいとまがないほどです。
また、コミュニケーションというと、いかに自分を表現するか、いかにして自分気持ちを相手に伝えるかという「いかに」の部分に関心を持つ人が多く見受けられます。一方、私たちが子供から大人へ成長し、今後も成長する過程で、大きく影響を受けるのが毎日のコミュニケーションであり、コミュニケーションは、人としての成長に欠くことのできないものでもあるという、影響を及ぼし合う部分に気付いている人は少ないのではないでしょうか。
様々な機能を持つコミュニケーションですが、まず、コミュニケーションの定義について、説明をしていきたいと思います。

 

1.「情報」とは

広い意味における「情報」とは、「資料が使われなかった」という単なるデータだけではなく、相手との感情の共有、互いの考えや価値観などの理解を深めるプロセスに関わる情報が含まれた、より広い意味を持つ情報という意味です。
❹の例のように、単なる情報伝達ではなく、感情が伝わることで、あなたと先輩の中に、より深いコミュニケーションが成立し、「資料は使われなかった」という情報をあなたは、納得して受け止めることができるようになったはずです。

 

2.言語・非言語によるコミュニケーションとは

コミュニケーションには、「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」があります。文字通り、言語を用いたやりとりを「言語コミュニケーション」といい、成立要件として、共通の言語や専門知識、文化的尺度が似ていることがあげられます。「非言語コミュニケーション」とは、態度や姿勢、表情や顔色、声のトーン、話す速度、ジェスチャー、視線などのことであり、シチュエーションによっては、言語以上にコミュニケーションにおいて重要な役割を果たすことがあります。

非言語コミュニケーションの重要性については、メラビアンの法則が有名ですので、ご紹介します。

 

3.メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、米国の心理学者であるアルバート・メラビアン教授が行った実験に基づく調査結果です。
メラビアンの法則は、言語・聴覚・視覚のイメージが矛盾した組合せの時に、どの情報が優先されるか調べたものです。
メラビアン教授の行った実験の一部をご紹介します。

「好き」、「嫌い」、「普通」からイメージする単語を選び、それぞれ「好き」、「嫌い」、「普通」を連想させる声色でレコーダーに録音します。その上で、被験者に「好き」、「嫌い」、「普通」を連想させる顔写真を1枚ずつ用意し、写真を見ながら録音した音声を聞いてもらい、声と写真の組み合わせにより、その後どのような印象を感じたかを調査します。
実験の結果、人と人とのコミュニケーションにおいて言語情報、聴覚情報、視覚情報の内容が一致しない時には、視覚情報が最も優先され、次いで聴覚情報、言語情報の順番に優先され、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%、のウェイトで影響を与えると言われています。

メラビアンの法則は、非言語コミュニケーション(視覚情報+聴覚情報)も言語コミュニケーション同様に重視すべきことを示唆しているのと同時に、ただ言語のままの情報を受け取るのではなく、相手の非言語コミュニケーションを読み取り、言語の背景を考えなくてなはらないことも、教えてくれています。

 

コミュニケーション研修のメリット

コミュニケーション研修を行い、社内コミュニケーションを改善するメリットについて、いくつかご紹介します。

 

1.社員同士の関係性が深まり生産性が向上する

日常のコミュニケーションが活発化することで、社員同士の連携が強化され、良好な人間関係が保たれるだけでなく、業務における意見交換が活発に行えるようになります。
また、それぞれの得意・不得意分野も理解され、相互に補完し合うことにより、組織として役割分担を効率的に行えるようになり、生産性を上げることにも役立ちます。

2.情報共有の活性化し、問題解決がスムーズに

コミュニケーションが取れている組織では、連携不足から生じる仕事のミスが減少します。又、ミスが発生した場合も、問題を一人で抱え込むことなく、周りに協力を求めることが出来ることから、大きな損害が発生する前に、迅速に解決できます。
さらに、自部署だけでなく他部署とのコミュニケーションが活発化されると、部署の利益の枠を超えた、業務の課題に関する解決策が見つけ出しやすくなります。

3.社員の能力を高め合える

毎日の業務の中で、フィードバックが行える環境作りは、人材育成を効果的に行う上で必要です。
フィードバックの頻度が高くタイムリーなほど、自身の状況をより客観的に把握しやすくなるため、自らの行動の変化に気付いたり、問題点への対処方法を発見しやすくなります。 
上司と部下、指導員と新入社員などのように、1対1のフィードバックだけでなく、社内のコミュニケーションが活発になれば、メンバー同士やチーム全体などが社員同士で同じ目標に向かって切磋琢磨する環境ができやすくなります。

4.社員満足度が向上し、離職率が改善される

退職理由の上位を占めるものに、職場の人間関係があります。社員同士で円滑なコミュニケーションを取れれば、話しやすい環境になります。
さらに、お互いを思いやりつつ、伝えるべきことを適切に伝えられれば、信頼関係が深まるとともに、人間関係で悩みを抱える社員は少なくなり、社員満足度が向上することから、社員が定着するという効果が期待できます。

5.取引先や顧客との関係性の向上

コミュニケーション研修では、後ほど詳しく説明をしますが、言葉遣いから始まり、プレゼンテーション力やアサーションなど様々なスキルを学びます。
当然、研修で身に付けたスキルを、顧客や取引先とのコミュニケーションにおいても発揮できることから、関係性の向上が期待できます。

ビジネスに求められるコミュニケーションとスキル

1.ビジネスコミュニケーションの4つの類型

ビジネスシーンにおけるコミュニケーションは、目的別に以下の4つ類型に分類され、対象が顧客・社内・社外・上司・部下等の関係性の中で様々なスタイルが形成されています。

① 他者を理解し、かつ他者からも理解されようとする過程で行う。
  【例】マナーとしてのコミュニケーション
② 共通の目的に向かって、チームの一体感を醸成するために行う。
  【例】職場を円滑にするコミュニケーション
③ メッセージの送り手と受け手の異なる主張を双方が歩み寄る、あるいは、メッセージを送り手に納得させるために行う。
  【例】合意に導くためのコミュニケーション
④ メッセージの送り手が、受け手としての他者の行動を変容させるため行う。
  【例】部下指導のためのコミュニケーション

2.マナーとしてのコミュニケーション

マナーは、コミュニケーションを進める上での大前提であり、年齢に関係なく、仕事を進める上で重視され、個人のビジネスの成果や会社の業績に少なからず影響を与える重要なファクターなのです。マナーが、コミュニケーションの大前提となる理由を3つ挙げておきます。

 

(1)マナーは、相手に不快な思いをさせないために欠かせない、最低限の礼儀やルールです。マナーを疎かにすると、こちらに相手を軽んじる意識がなくても、不快な気持ちを与えてしまう可能性があり、円滑なコミュニケーションの妨げとなります。

(2)仕事は一人ですべてを完結できるわけではありません。しっかりマナーを守ることで相手を尊重する気持ちが伝われば、信頼関係が生まれます。社内の信頼を得ることができれば、複数人で仕事をスムーズに進めることができ、より大きな成果を出せるようになります。

(3)電話応対やクレーム対応に求められる柔軟なコミュニケーション

         電話応対やクレーム対応は型を覚えてマスターするだけでは不十分です。

 

顔が見えない電話応対や、お客さまが感情的になっている際のクレーム対応などには、相手に対する思いやりや相手を尊重する気持ちが伴った態度とお客さまの言語・非言語によって表現されたメッセージをしっかりと聴くコミュニケーションが必要です。

 

3.職場の人間関係を円滑にするコミュニケーション

「円滑なコミュニケーション」という表現をよく聞きますが、コミュニケーションを円滑に行うためには、ある程度のスキルと意識が必要です。代表的なスキルにアサーションがあります。
アサーション(Assertion)とは、相手を尊重しつつ自分の意見を伝えるコミュニケーション方法の一つです。自己主張を行う場合、攻撃的な自己主張や非主張的な自己主張になりがちです。攻撃的な自己主張とは、自分の言い分を一方的に言う、相手を追い詰める、自分は正しいと思い込んでいる、感情を表に出し相手を威嚇するなどです。非主張的な自己主張とは。自分の意見を言わない、相手に伝わりにくい言い方、嫌われたくない感情がある、自分が我慢すればいいと思っているなどです。

アサーションの技術を使い、相手の気持ちも理解した上で、バランスよく自分の伝えたいことを話すことをアサーティブな自己主張といいます。

 

4.合意に導くためのコミュニケーション

企業で働く人が多様化し、年齢、価値観、働き方など様々な違いがある中で、人間関係をうまく調整し、仕事をうまく進めていくためコミュニケーション力は、全てのビジネスパーソンに必須の能力といえます。
代表的なスキルに、プレゼンテーションスキルがあります。
プレゼンテーションの基本は、相手にどう伝わるかといった相手を起点にする考え方です。

 

① 相手が真に求めている物を理解し、その期待に応えられるようなメリットを提示する。
② 自社の製品・サービスを相手が取り入れるべき理由を論理的に説明する。
③ 論理的に説明したとしても、話し方が下手で相手を惹きつけることができなければ意味がありません。身振り手振りを交えて相手の注目を集め、聞き手の目をしっかりと見て反応をうかがいながら話すことが大切です。
④ 相手の反応によっては途中で内容や話し方を変えたり、時には質問に答えという臨機応変な対応力が必要です。プレゼンテーションに慣れていている人ほどこのスキルが高い傾向にあります。

 

5.部下指導・部下育成のためのコミュニケーション

部下の指導・育成を行うには、部下とコミュニケーションを取りながら一緒に成長目標を立てることが大切です。
部下自身が叶えたい願望と企業が目指す方向性をうまく擦り合わせ、部下のモチベーションを高めることが出来れば、成長目標を達成していく成功体験を通じて、やがて部下自身が主体的に学んでいくという、理想的な部下育成となっていきます。代表的な指導方法にコーチングがあります。

「コーチング」とは、対話を重ねることを通して、上司が部下の自主性を引き出し、目標達成に必要なスキルや知識・考え方を備え、行動することを支援するプロセスです。知識などを一方的に与えて育てるティーチングだけに偏ってしまっては、部下が自ら考える機会を失ってしまいます。コーチングは、成果が出るまでに時間がかかりますが、部下の主体性を大切にしながら無理をさせずに育成できます。コーチングで用いるスキルの内、代表的な3つのスキルについて説明します。

●傾聴スキル
コーチングでは、相手の話に関心を示しながら耳を傾ける傾聴スキルが求められます。相手が話しているときは口を挟まず、ときには相づちを入れるなどして聞き手に徹します。話を聞く際は言葉だけでなく、表情や声のトーン、仕草からも情報を得ることが大切です。言葉だけでは得られない情報にも気を付けることで、コミュニケーションは一層円滑になり、コーチングの効果は大いに向上するでしょう。

●承認スキル
相手の考えや行動を認め、評価するのが承認スキルです。人は自分の努力を評価されると、さらに頑張ろうという動機付けを得られるものです。上司は部下の行動をよく観察し、どのように変化し成長しているのか、言語化して相手に伝えることが大切です。

●質問スキル
コミュニケーションスキルは人によって大きく異なります。すべての人が同じ方法で自分の意見や思いを表現するわけではありません。ですから、コーチングでは相手の思いを引き出すための、高い質問スキルが求められるのです。
状況に適した問いかけをして相手の思考を促し、発言しやすい環境を作る必要もあります。指導を受ける人の自己評価が低く、自分の考えを伝えることに消極的なら、回答を簡単なYesもしくはNoで回答できる質問を準備しましょう。

対象がコーチングに慣れてきたら、少しずつ具体的な質問を織り交ぜて、相手の思考力を刺激していきます。

 

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