ファシリテーション研修

会議運営・プロジェクト推進・課題解決に活用できるファシリテーションスキルを学ぶ

ファシリテーションとは

 ファシリテーション(facilitation)とは、「容易にする」「円滑にする」「促進する」を意味し、「スムーズに運ばせる」というのが本来の意味です。組織や会社の活動が容易に(円滑に)できるよう支援し、うまく事が運ぶよう中立的な立場から、支援したり、協働して促進することを指します。会社などではチームや組織が目標を達成するために、問題解決を行ったり、新しいアイデアを出し合う際、合意形成などに会議や打ち合わせがありますが、その進行役を担う人がファシリテーター(facilitator)です。

近年、ファシリテーションは、組織変革を起こし、組織活性化を行う活動を指す際に使われたり、生産・開発性系の部門では、プロジェクトの進行管理という意味で使われる場合もあります。ここではファシリテーションの基礎知識についてご紹介しています。

 

研修の狙い

  • ファシリテーターとしての役割を認識し、会議に向けての心構えを醸成する
  • ファシリテーションスキルを習得し、生産性が高く、活性化を促す会議の進め方を学ぶ
  • メンバーの建設的な意見を引き出し、拡散・収束・合意のプロセスを理解する

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.ファシリテーションとは

(1)ファシリテーターの役割は何か
(2)ファシリテーションをするときの心構え
(3)ファシリテーターがやるべきこと

2.ファシリテーションの4つの要素【グループワーク】

(1)場の創出
 ①会議の結果は始まる前に決まる!
 ②場をデザインする
 ③進め方・役割・ルールを決める
(2)対人関係の構築
 ①全員が発言するために
 ②傾聴スキル
 ③質問スキル
 ④介入スキル
 ⑤説明スキル
(3)構造化の実行
 ①主張を明確にする
 ②主張の全体像を把握する
 ③ホワイトボードを活用する
(4)合意形成
 ①合意形成手法
 ②独断からコンセンサスまで
 ③対立を恐れない
 ④ペイオフ・マトリックスの活用
 ⑤質疑応答、まとめ

3.ファシリテーション 総合演習

4.まとめ

ファシリテーションのプロセス

企業における会議や打ち合わせは、チームや組織の目標を達成するために今の姿(現状)とありたい姿(目標)を比較し、そのギャップを問題として捉えることが多くあると思います。このギャップ(問題)を埋めるための手伝いをする(支援すること)がファシリテーションです。
しかし、以下のような会議や打ち合わせになっていませんか?

【悪い例】
「単なる報告・連絡の場」「発言者が業務をやらされる場」
「言い訳・反省の場」「沈黙・我慢の場」「結論が出ない井戸端会議」・・・など

本来会議は、
【良い例】
「アイデア創造・ひらめきの場」「新しい気づきを得る場」
「情報共有・意識統一の場」「成長・発展・前進の場」
「より有効な手段や策を考える場」・・・など
があるべき姿なのです。

ファシリテーターとして良い会議や打ち合わせにするために以下のようなプロセスが必要です。

(1) 会議や打ち合わせの場を作る(関係性の構築やゴールの設定)
① 会議や打ち合わせの目的の説明
まずは、集まったメンバーが
 ・どのような目的で集まったのか
 ・この会議のゴールは何なのか
を明確に伝える必要があります。このプロセスがなければ、メンバーによっては自分が「なぜ自分がこの場所にいるのか?」と疑問を抱えたまま参加することになり、後々の発言を円滑に行えなくなる場合があります。また、会議や打ち合わせによってはメンバー同士が初対面の場合もあります。そのような場合はファシリテーターが参加者同士の属性や会議や打ち合わせへの招集理由を説明することも必要でしょう。

 

② グランドルールの設定
また、会議や打ち合わせのグランドルール(守るべきルール)を設定することも忘れず行いましょう。グランドルールの設定で会議の性質が決まります。もし会議が複数回にわたって行われる場合、最初に定めたグランドルールに基づきその後の会議が進行されるため、重要なものになります。

 

③ 時間配分の確認
 ・終了時間や休憩時間、大まかな時間配分などを伝えておくと参加メンバー同士でもタイムマネジメントがなされ、会議が進行しやすくなります。

(2) 発言者の意見や考えを受け止めて、更に引き出す
話し合いが始まれば、できるだけたくさんの意見を出し合う必要があります。ここでファシリテーターは発言者の意見や考えを傾聴し、質問を駆使しながら発言者の考えや意見を更に引き出すことに努めます。発言者の意見や考え(発言の意図や考えていること)をすべて出し尽くすことで、これから生み出す結論への合理性と納得感を高めることができ、またメンバー同士の関係性も向上します。少人数の場合はなるべく全員に意見を言ってもらうように努めましょう。

(3) 個々の意見を整理し、議論の全体像と合わせる
一通り意見が出たら、現状を要約してメンバーに伝え、認識の相違がないかを確認した上で書きまとめて議論を整理します。整理に図解を活用することも有効です。また各々のメンバーの意見や考えをグルーピング(分類わけ)したり、関係性を明確にすることでより参加者の会議や打ち合わせに対する参加度合いや理解度は上がります。

(4) 会議や打ち合わせの合意を形成する
(3)で結論の方向性が絞られてきたら、最終的な意思決定方法を選びます。その後、会議や打ち合わせの最終的な結論とします。この時に避けて通れないのが意見の対立です。
その際は、以下の方法で対立者同士が満足する案を選択させる方がよいでしょう。
 ① 意見の違いを見つけ出す
 ② 相手の意見を理解する(相手の発言の意図や立場を理解する)
 ③ 両者が一致する目的や一致する部分を探し出し、気づいてもらう
 ④ 対立を解消するアイデアを出してもらう(協調的に議論させる)
 ⑤ 両者が満足するアイデアを選択する

 

会議を円滑に進行するため(ファシリテーター)に必要な能力・スキル

前述にてファシリテーションのプロセスについて説明しましたが、ここでは会議を進行するファシリテーターとして身につけておきたい技術をご説明します。

(1)観察スキル
会議や打ち合わせにおいて、ファシリテーターは常にメンバーの動向(姿勢や表情)に目を配る必要があります。
険しい表情をしている人や首を傾けたり、何か言いたそうな人はもちろんのこと、興味がなそうであったり、落ち着かない様子の人にも目配せをした上で声をかけましょう。

(2)傾聴スキル・要約スキル
ファシリテーターは発言者に意見を求めるため、相手の意見や考えを聞くスキル(傾聴スキル)が高くなければいけません。傾聴とは共感を示しながら、真摯な姿で相手の話を「聴く」技術です。ヒアリングよりも更に深いレベルで相手の状態を理解することに努め、相手の感情や要望を汲み取る必要があります。
また、参加者の発言を繰り返し、話したことをまとめる(要約)スキルも必要です。会議の参加者の発言をまとめることで他の参加者が意見を確認できたり、発言者自身も自分の意見が受け入れられたという安心感にもつながります。効果的な要約は次の質問や意見を引き出す機会(きっかけ)となりますので議論の活性化にもつながります。

(3)構造化スキル
ファシリテーションプロセスにおける(3)や(4)で参加者から出てきた意見を整理したり、書きまとめることが必要なため、構造化することはファシリテーターとして得ておきたいスキルです。
意見を構造化するためには、フレームワークを活用するとよいでしょう。一般的によく使われるフレームワークはロジック・ツリー や マインド・マップ 、戦略やマーケティング分析で使われる3C、4P、PPM、SWOT分析などがあります。

(4)活性化スキル
会議を進行する上で、議論が迷走したら、ファシリテーターが論点を交通整理したり、議題から大きくブレると、ファシリテーターが引き戻すことが必要です。
論点を整理するときは、上述した通り、発言者の意見や考えを要約したり、会議の目的やゴールを再度確認しましょう。
もし議論が停滞したり、意見が出ない場合は、思いついたことをとりあえず付箋に貼ったり隣の人と1分~2分ほど相談してもらうなど会議の進行に変化を加えることもよいでしょう。他にも休憩をとったり、飲み物やお菓子を出して気分転換を図るといった工夫も有効的です。

 

ファシリテーション研修を効果的に行うために

ファシリテーション研修を効果的に行うために、まずは自社の会議や打ち合わせが日々どのようなスタイルで行われているか、どのような点が課題になっているかを振り返りましょう。
研修では、会議の全体的な進行について万遍なく解説したり、自社に足りないスキルに焦点を絞って行うことも可能です。貴社のご希望に添った研修プログラムをご提供します。

 

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