問題解決研修

様々な問題に対して、本質を捉え解決に導く手法を学ぶ

問題解決とは

ビジネスシーンにおいては、売上が減少している、新しいお客さまが増えない、業務が非効率であるなど様々な問題が生じています。
仕事には何らかの問題があるのが普通ですので、「問題解決」とは、全てのビジネスシーンにおいて必要とされる仕事の進め方であると言えます。
問題解決を行う場合には、表層の問題ではなく、問題の本質を理解した上で、原因を特定し、原因に対する解決案を考え、実行することが求められます。そのため、共通した以下のようなプロセス・手順に沿って行っていく必要があります。

研修の狙い

  • 問題解決の手順を習得し、潜在する問題を発掘して、解決策を導くステップを理解する
  • 各局面における様々な問題に対し、適切な論理的手法を活用して、効果的な問題解決のステップを学ぶ
  • 問題解決スキルを身につけ、自身の業務や組織の問題解決を図る

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.そもそも問題とは?

(1)問題とは何か
(2)問題の種類
(3)問題のもぐらたたきになっていないか?

2.問題解決の誤ったパターン

(1)論理の飛躍
(2)表面的な考え
(3)短絡的な解決
(4)説得力に欠ける論理展開
(5)コミュニケーションミス

3.問題を構成する要素を整理する

(1)全体像や様々な視点を捉える
(2)問題を見極める
(3)情報を構造化する

4.問題解決のステップ【グループワーク】

(1)問題解決の基本ステップ What⇒Where⇒Why⇒How
(2)飛躍せずに必ずステップを踏む
(3)ロジックツリーの活用
(4)フレームワークの活用

5.説得力のある主張【グループワーク】

(1)ピラミッドストラクチャーを活用して考えや主張をまとめる

6.ゼロベース思考(固定観念や習慣にとらわれない)

(1)ゼロベースでの思考が求められる
(2)常識を疑う視点

7.総合演習

8.まとめ

問題と課題の違いについて

ここでいう、「問題」とは、ありたい姿や目標と現実のギャップのこと、あるいは、目標達成のために、解決しなければならない事柄を意味します。

そのギャップがすでに認識されているかいないかで「発生型」と「設定型」の大きく二つに分けることが出来ます。

❶発生型問題
既に起きている問題で、且つ、ありたい姿や目標とのギャップが明確に見えていることが特徴です。例えば、「納期に遅れた」「不良品が出た」といった問題が発生型と言われます。誰が見ても問題であることから、原因を追究し解決案の立案を行うことが重要となります。

❷設定型問題
自ら設定した目標達成や、理想を実現するために発生が予想される問題を設定型と言います。例えば、「営業利益率を5%から10%にしたい」「製造期間を10日から5日に短縮したい」などは、現状が問題であることに共通認識がなければ、関係者の議論がかみ合わなくなります。この場合、先ず、ありたい姿や目標の設定を組織として行い、現状との間で生じている差を問題として設定し、解決案の立案を行います。

 

問題解決のプロセス

(1)問題の明確化
問題の明確化とは、目標・あるべき姿を定義し、現状とのギャップを認識した上で、「問題を定義する」ことです。
例えば、紳士用衣料品店の場合であれば、「売上が足りない」という場合、どの商品が、どのくらいの単価で、どの程度売れている状態が「あるべき姿」なのか、最初に具体的に設定しておく必要があります。

その場合、
ⅰ)世の中全体の衣料の売上は伸びているのか
ⅱ)紳士服市場の売上は伸びているのか
ⅲ)販売先ごとの売上状況の変化はどうか 

などの情報を収集し、本当に問題であるのかそれとも、もっと違うところに問題があるのか、問題であるとしたら目標やあるべき姿をどのように設定するかを決める必要があります。

(2)問題箇所の特定
問題箇所の特定とは、どこに現状とあるべき姿のギャップがあるのかを特定していくステップです。簡単に言うと、問題箇所は、「どこ、どこ」と考えていく段階です。この時、「あるべき姿」に対して最も影響を及ぼすものが候補となり、各問題の前後関係も加味しながら、絞り込んでいきます。

A社の例でいえば、紳士服に複数のブランドがある場合は、

ⅰ)ブランドごとの売上の構成比率
ⅱ)ブランドごとの売上の増減状況
ⅲ)販売先ごとの売上の増減状況

などから、ブランドに問題があるのか、販売先に問題があるのかの特定を行います。
紳士服の売上の低下が、特定のブランドの低下による場合と、特定の販売先への売上が低下している場合では、対応が大きく変わってきます。

 

この段階で、注意しなければならないのは、議論が不十分なまま、どちらかに決めてしまうことです。「問題解決」は、論理的に意思決定することが重要です。今までに、「問題解決」が、上手くいかなかった経験のある方は、この段階でのこだわりが薄い結果、問題箇所の設定を間違えて、結果を出せなかったのかもしれません。

(3)原因の追究
特定した問題が発生する原因を「なぜ、なぜ」と考えていく段階です。
問題箇所の特定は、A社の例では、「売上」という統一した切り口で、販売先やブランドに分解していきましたが、一方、「なぜ、なぜ」と考えていく場合には、問題全体を異なる視点で深掘りして分解していきます。ここで原因をきちんと特定できないと、問題は解決されないため、とても重要なプロセスです。

原因の追究の段階でのポイントは、

ⅰ)なぜを繰り返す
ⅱ)論理の飛躍に気を付ける
ⅲ)もれなく幅広く可能性を考える
ⅳ)事実で確認する
ⅴ)自社や製品を主語として掘り下げる     などが挙げられます。

実務で陥りがちなことは、事実を確認せず、飛躍した論理で原因を設定してしまうことです。今回の場合、『ブランド自体が古くなっているので見直そう』と、直感で判断するのではなく、例えば、販売店での聞き込みを行い、色やデザインなどについて販売店の意見を確認する必要があります。

(4)解決案の立案
解決案の立案は、これまでの分析を参考に、原因を根本的に解決するための方策を考えます。
紳士服の売上の低下という問題に対して、ブランドごとに分析した結果、ブランドAの売上に大きなギャップがあるとします。解決すべきテーマとして「色・デザイン」「販促」「価格」が挙げられるとすれば、この3点を課題として設定し、解決案を考えていきます。

解決案の立案の段階でのポイントは、

ⅰ)実現可能性
ⅱ)効果(メリット・デメリット)
ⅲ)コスト
ⅳ)時間    などが挙げられます。

(5)解決案の実行
解決案の実行の段階は、文字通り解決案を実行する段階であり、PDCAでいえば、D・Cに当たります。つまり、解決案を実行し、問題が解決できるかいるかどうかの評価を行います。

解決案の実行段階でのポイントは、

ⅰ)わかりやすく素早く行動に移せる
ⅱ)極力負担を減らす
ⅲ)期限と結果の測定を明確にする
 〇何時までに
 〇誰が
 〇何を行うか
 〇結果・効果の測定時期
ⅳ)状況を共有する     というものが挙げられます。

解決案の実行は、事務の効率化のように、ルーティンに組み込まれている場合以外は、実務上新たな仕事が増える場合が多いと考えられます。ここまでの段階で、解決案の実行に取り組んでもらうメンバーには、解決案の実行の必要性は十分に論理的に説明し理解を得ることが出来るはずですから、自信を持って素早く推進していただきたいと思います。
又、実務で陥りやすいことは、効果検証が行われず、いつの間にか、なし崩しになっていくことです。そのために、結果・効果の測定をどのくらいの周期で行い、いつまでを期限に実行するのかを明確に決めておくことが必要です。
期限の終了時に、実行した解決案に効果が出ていないのであれば、区切りをつけて、別の解決案に移行しましょう。解決案のすべてが成功する訳はありません。よく言われることですが、失敗しないということは挑戦していないということです。

 

まとめ

「問題解決」は、論理的に問題を解決する技術ですから、訓練すれば身に付けることが出来ます。

トヨタ自動車の「なぜなぜ5回」は海外では英語で5 whys(five whys)と呼ばれ、「なぜそうなったか?」「なぜそう思ったか?」「なぜ気づけなかったか?」等となぜを5回以上繰り返すこともあることから、こうした名称で呼ばれます。トヨタ自動車のように「問題解決」の技術が、企業としての仕組みに落とし込めることが出来れば、一番望ましいことと言えます。

仕事をする上で、必ず問題は発生します。『問題は必ず解決することが出来る』という、マインドセットがあれば、論理的に考え抜くことで、突破点が必ず発見できます。是非、失敗を恐れず問題解決に向けてチャレンジしてください。

 

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