業務改善研修

業務改善を通じて、業務の効率化につなげる

業務改善研修とは

業務改善研修は、生産性の向上を実現させるために、業務上の問題点や課題を洗い出し、改善・効率化する方法を理解し、実践的に推進していく方法を身に付ける研修です。

 

研修の狙い

  • 日々の業務を効率的に進めるために、業務改善のポイントを理解する
  • 業務の分析から改善につなげるステップを学ぶ
  • 改善をチームで進めていくために必要なことを学ぶ

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.業務改善のポイント

(1)業務改善への心構え
(2)業務改善のポイント

2.業務改善のステップ

(1)業務の洗い出し
(2)ムダな業務の検討
(3)改善対象の業務の検討
(4)改善に向けた優先順位の付け方
(5)改善に向けた目標設定
(6)改善に向けた具体的な取り組み事項
 ①役割分担
 ②スケジューリング

3.自部門での業務改善に取り組む【ワーク】

(1)ムダ業務の洗い出し~ブレインストーミング~
(2)改善対象の選定
(3)取り組み改善対象の絞り込み
(4)業務改善へのステップ検討

4.チームで改善に取り組む

(1)チームで運用して改善につながる
(2)チーム内でのコミュニケーションの重要性
(3)メンバーを動かすコツ
(4)途中経過の確認(PDCA)
(5)各自の行動を見える化する

5.まとめ

業務改善とは

「業務改善」は、企業の生産性向上を目的に、製造・販売・流通などの各業務レベルで「業務」の内容や進め方などの改善する取組です。「改善」については、業務の方向性や戦略など根幹部分から業務の内容や進め方までを対象として行います。

具体的には、以下のような様々なアプローチを検討する必要があります。

・無駄な作業や工程をやめる・見直す
・問題やミスの発生を防止するため、仕事のやり方を変える
・材料や製法を変え、品質向上や納期限の短縮化を図る
・販売方法を見直し、売上アップを目指す
・仕入方法を見直し、原価の削減を図る

業務改善は、事業の生産性向上を目的に行いますので、対象も方法も多種多様に考えられます。それだけに、業務改革を行うに当たっては、目的・方向性を明確にしておくことが非常に重要となります。

 

業務改革との違い

業務改善と混同される言葉に、業務改革があります。業務改革は「Business Process Reengineering」と英訳され、一般的には「BPR」略されています。

「業務改善」が、製造、販売、人事などの業務ごとに行われるのに対し、業務改革は、組織が行っているすべての業務、フロー、構造を、一から見直し再設計するアプローチを指します。例えば、販売のプロセスを見直すのであれば、業務改善ですが、販売部門自体を外部に委託することを検討するのであれば、業務改革の範疇となります。

業務改革は、業務の全体を抜本的に変えてしまう取組であるため、業務改善に比べ範囲や内容がさらに大きい取組だと考えると良いでしょう。

 

業務効率化との違い

もう一つ、業務改善と混同される言葉に、業務効率化があります。
業務効率化も生産性の向上を目的に行われますが、業務効率化においては、文字通り非効率な業務を効率化することで生産性の向上を目指します。業務の効率化にターゲットを絞るのが業務効率化であり、業務改善の一部であると考えてください。

 

業務改善を推進すべき理由

業務改善を推進すべき理由は、日本の少子高齢化による労働力不足への対応や、働き方改革やダイバーシティを推進しつつ、生産性を向上させるためです。少子高齢化により、働き手の数が減り、また、一人当たりの労働時間も短くなる中で、生産性向上を図るためには、業務の質の向上が求められています。
又、仕事に対する考え方や働き方が多様化していることから、業務改善を実施して業務環境の改善を行わなければ、採用に支障を来たすことになりかねません。

業務改善には痛みを伴うこともありますので、推進するためには、業務改善を行う「理由」を、現場レベルまで浸透させておく必要があります。企業によって、さまざまな理由があると考えられますが、ここでは代表的なものを挙げておきます。

(1)「ムリ・ムダ・ムラ」な業務プロセスを整理し生産性を上げる
業務に「ムリ・ムダ・ムラ」があると、ミスの発生や、業務スピードを阻害する要因となったり、必要以上の金銭的コストがかかる原因となります。業務改善により、業務の見直しを行い「ムリ・ムダ・ムラ」を整理することで、業務にかかる時間が短縮される効果や意思決定がスムーズになる効果が期待され、労働時間全体の改善や残業による人件費の削減にも繋がります。

(2)人手不足を解消するため
慢性的な人手不足に悩む企業は多いですが、業務改善により、より少ない人数で業務が運営できるようになれば、人手不足の解消につながります。また、人手不足により、新しい取組に着手できない企業にとっても、業務改善により、社員一人あたりの業務負荷が減れば、着手できる業務の幅も広がります。

(3)業務の属人化を防ぐ
特定の社員しか対応できない業務があることを「業務の属人化」と表現し、多くの企業に見られる現象です。業務の属人化が発生すると、その業務がボトルネックとなり、他の業務に影響を及ぼす可能性が高くなります。属人化の状態が長く続くと、「ムリ・ムダ・ムラ」に気付かない可能性も高くなり、業務を著しく非効率にさせてしまうことも考えられます。業務改善により、業務を簡素化・標準化・マニュアル化できれば、業務の属人化を防ぐことができるようになります。

 

業務改善の流れ

業務改善は、次の5つのステップで行います。

①業務改善の目的設定
業務改善は、先にご説明した通り、様々なアプローチが考えられることから、まず、どのような「問題」に対して行うのかという目的を設定しなければなりません。ここでいう、「問題」とは、ありたい姿や目標と現実とのギャップのことで、目標達成のために、解決しなければならない事柄です。

「問題」はそのギャップがすでに認識されているかいないかで「発生型」と「設定型」の大きく二つに分けることが出来ます。「発生型問題」は、既に起きている問題で、例えば、「納期に遅れた」「不良品が出た」といった問題が発生型と言われます。

一方、「設定型問題」は、自ら設定した目標達成や、理想を実現するために発生が予想される問題です。例えば、「営業利益率が5%から10%にしたい」「製造期間を10日から5日に短縮したい」などは、現状が問題であることに共通認識がなければ、関係者の議論がかみ合わなくなります。この場合、先ず、ありたい姿や目標の設定を組織として行い、現状と間で生じているギャップを問題として業務改善を行います。

②業務内容の洗い出し
部・課を基本の単位として業務内容をリストアップする。業務の特性を理解するステップです。担当者へのインタビューや資料調査により、①で設定した問題に関連する業務フローの洗い出しを進めます。

この段階で、業務フロー毎の作業時間や事務量を自己申告又は実測して調査することで、後のステップでの優先順位の決定などの参考にすることができます。

③改善対象の決定
改善の対象として仕事の進め方や、分担を変えるべき業務フロー・作業などを決定するステップです。実際に作業にあたっている担当者の作業に対する満足度などの意見をヒアリングすることで改善対象の明確化を図ります。

④改善計画の作成
調査結果と実態の分析結果を踏まえて、関係者でブレインストーミングを行い、具体的な取組み案を検討するステップです。効果の大きさや難易度、効果が出るまでの期間などにより優先順位を決め、業務改善の具体的な推進の方向性についてまとめ、改善計画を作成します。

⑤実行とPDCAを回す
定期的に進捗状況や期待した効果が出ているかを検証しながら、PDCAを回していく実行段階です。
 

業務改善に有効なフレームワーク

業務改善に有効なフレームワークには複数の種類があり、その中から適したものを選ぶことが大切です。ここでは、業務改善に役立つ代表的な2つのフレームワークを紹介します。

(1)ECRS(イクルス)
ECRSは次の四つの視点に基づいて、業務フローの中で改善するべき箇所を洗い出すためのフレームワークです。

E(Eliminate):排除
C(Combine):結合
R(Rearrange):再配置
S(Simplify):簡易化

業務フローの中で、ムダな作業を見つけてその作業自体をやめるという「排除」の視点で作業の取捨選択を行うことから始め、他の作業と一度に行う「結合」、作業の順番を変える「再配置」、作業を単純化する「単純化」の視点で効率化や自動化を検討します。

ECRSは、業務改善の基本であり、幅広い業務に対応できるのが特徴です。

(2)QCD(キュー・シー・ディー)

Q(Quality):品質
C(Cost):コスト
D(Delivery):納期

QCDは製造業において欠かすことのできない「品質・コスト・納期」という三つの視点で業務改善を行うフレームワークです。QCDの中で、最も優先すべきはQuality(品質)です。次の優先順位は、Delivery(納期)→Cost(コスト)であると考えてください。
但し、業務改善の目的が、顧客の要望に応えるということであれば、QCDの優先順位は柔軟に変える必要があります。

 

まとめ

アイルランドの劇作家で、1925年にはノーベル文学賞を受賞しているジョージ・バーナード・ショーは、「変化なくして進歩は不可能であり、自身の考えを変えることができない人は、何も変えることができません」と述べています。

業務改善は、業務にかかわる従業員一人ひとりが自ら考え着手していくことが重要です。

 

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