部下の褒め方・叱り方研修

部下育成に必要な部下の褒め方と叱り方のスキルを習得する

研修の狙い

  • 部下を褒めて伸ばしつつ、叱るべきところはきっちりと叱り、部下にその理由を気付かせるスキルを学ぶ
  • 具体的な部下の褒め方、叱り方のスキルを理解し、演習を通じて習得する
  • 部下を承認しながら、褒めると叱るの理由を理解させ、部下の意欲を高めて成長を支援する

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.よくある上司の共通点

(1)褒めると叱るの使い分け
 ①褒める対象事項
 ②叱る対象事項
(2)感情的な対応からは何も生まれない
 ①場当たり的な対応で部下は疲弊する
(3)褒めるも叱るもはじめの一歩は承認から

2.“褒める”を活用する【ペアワーク】

(1)なぜ褒めることが必要か
(2)褒め上手になってみる
(3)具体的な褒め方
(4)タイプに応じた褒め方
(5)褒めるときのポイント
(6)褒め続けることの弊害

3.“叱る”を活用する【ペアワーク】

(1)なぜ叱ることが必要か
(2)部下を叱れない理由
(3)叱る時は感覚では無く事実で
(4)叱ると怒るの違い
(5)タイプに応じた叱り方
(6)叱るときのポイント
(7)叱らない弊害

4.指導のつもりがパワハラになることも

5.上司からどう叱られるかだけでなく、どんな上司から叱られるかも大きく影響する

6.まとめ

部下の褒め方・叱り方研修の研修内容

1. 部下の褒め方・叱り方
人間誰しも、誰からか褒められたい、叱られたくないと思っています。ただどのように褒めれば、叱ればいいのかわからないと思う方も多いかもしれません。一昔前では、結果を出してもそれが当然で褒められることはなく、ひとたびミスを犯せばひどく叱責されることがありました。それが当たり前と思って仕事をしてきた人間が部下を持ち、いざ部下に対して褒めたり叱ったりしようとしても、正しい知識をもっていなければパワーハラスメントと指摘されるかもしれません。
本研修は、パワーハラスメントや離職率が問題となり、部下に対して言いたいことも言えず、どのように褒めたり叱ったりすればわからないという方に正しい褒め方と叱り方を解説します。

2. 褒める・叱るの共通点
褒めるも叱るのも感情に任せて言うものではありません。重要なことは「その人の行動に対するフィードバック」であることです。事実をもとにその行為を褒める・叱ることでその人の行動変容を促すことを目的としています。

3. 褒めるとは
褒めるとは、相手の良い点(行動)に注目して、それに対するフィードバックをすることです。褒めることで、本人のさらなるパフォーマンスの向上やより良い人間関係の構築が期待できます。褒められた側も「この行動や発言がよかったんだ」と言うことがわかり、次は更に褒められたいと思い行動に移します。その結果、好循環が生まれ、チーム全体の成果が更に上昇するということになります。以上のように、褒めるということは褒められた本人の成長だけでなく、チームとしての成長も期待できるのです。ではどのように点に気をつけて褒めればいいのでしょうか。以下に褒め方のポイントを4点お伝えします。

①事実を伝える
「入社してはじめて契約を獲得できたね、おめでとう!」というように、実際に部下が行ったこと(行動)を客観的事実として伝えます。シンプルでも口に出して伝えることで、相手は「ちゃんと見てくれているんだ」と実感することができます。ただし、結果だけでなく、それまでの経緯(行動)も褒めるようにしましょう。結果だけを褒めると、部下は結果を出さなければ意味がないと思ってしまいます。

② I(アイ)メッセージで伝える
I(アイ)メッセージとは相手の行動を良い悪いで評価をくださず、私(=I)にどう影響していて「こう感じている」と自分の本音を言う伝え方のことです。例えば「毎朝君が明るく『おはようございます』と言ってくれて気持ちがいいな。(私は)今日も気持ちよく仕事に取り組めそうだよ。」や「君は積極的に周りの方のサポートをして素晴らしいね」と言えば、自分を消極的だと思っている相手でも、自分の感想として述べることで、相手は抵抗なく受け入れることができるのです。

③質問承認パターン
驚きや尊敬の気持ちを質問する形で相手に投げかけることで、謙遜しがちで自己肯定感が低い相手でも素直に受け入れることができます。例えば「こんなに難しい商談をよくまとめあげたね、先方様にはどうやって話をつけたの?」というように質問と振り返りを同時にすることで、何が良かったのかということを一緒にフィードバックすることもできます。

④一緒に喜ぶ
「おめでとう」「良かったね」と一緒に喜ぶことで、この人は私の味方だと思ってもらえ、更に人間関係を深めることができます。自身と部下だけでなく、他の人を巻き込みみんなの前で褒めてあげると更にいいでしょう。

4. 叱ると怒るの違い
叱るというのは、「2.褒める・叱るの共通点」でご説明した通り、問題点・改善点を指摘して、注意やアドバイスをする行為、すなわちフィードバックを指します。行動改善のきっかけをつくり、相手の成長を促すことが目的です。
一方で怒るというのは、自身の不満や不快な感情を、目的もなく一方的に相手にぶつけることを指します。部下に指導をする際、怒ってしまう指導法は間違った対応です。怒るだけでは部下は成長せず、モチベーションの低下・ミスの隠蔽を招く恐れがあります。怒るはパワーハラスメントに該当しますが叱るは該当しません。上司の立場の人間は「叱ると怒る」の違いを理解し、正しく部下を叱ることができるようになりましょう。

5. 叱るとは
ビジネスの場では指導やアドバイスは”怒る”ではなく”叱る”でないといけません。では、適切に叱るためにどのような点に気をつけなければいけないのでしょうか。以下に叱る際のポイントを4点お伝えします。

①部下との信頼関係を構築する
部下にとって叱られるという行為は気持ちの良いものではありません。それがあまり信頼がおけない上司からであればなおさらです。叱るという行為の前提には、上司部下の信頼関係の構築が大前提であるといえます。部下はこの上司が言う事だから、ちゃんと聞こう、改善していこうと思えます。普段からよくコミュニケーションを取り部下との信頼関係を深める努力をしましょう。

②相手の話を聞く(傾聴)
聞き上手は叱り上手と言われるほど傾聴は重要です。ただ相手の話を聞くのではなく、相手の話に共感しどう受け止めたのかを伝えます。決して相手を否定せず、頭ごなしに自分の意見を伝えてはいけません。傾聴することで③の事実確認が行なえます。

③事実確認をする
事実確認をしなければ、何に対して叱れば良いのかわかりません。事実確認をした上で「正すべきこと」が事実であれば、適切に叱る必要があります。間違った叱り方に、この事実確認が抜けているケースが多々あります。上司の思い込みや勘違いで部下を叱ってしまっては部下に不満が募り関係性が悪化してしまいます。これを防ぐためにも、事実確認をしっかりと行い、部下の行為が叱るべき行為なのかを適切に判断しましょう。下記に叱る際の悪い例と良い例を上げてみます。

悪い例)この案件について、なんで事前に報告してくれなかったの?前にも報連相は忘れずにしてって言ったよね。
良い例)この案件について、報告をもらえてなくて困ったんだけれど、もし何か理由があるのなら教えてくれるかな?

悪い例のように、理由も聞かず頭ごなしに報告がなかったことは叱ってはいけません。もし忘れていただけであれば叱る必要がありますが、理由によっては叱る必要が無いからです。例えば別件で緊急の事案があり、そちらの対応に回っていたのであれば、今回の件は仕方がないで叱る必要ありません。「報告がなかったけど何かあったか」と確認の会話が入るだけで全く違うのです。

④事実(行動)対して叱る
褒めるときのポイントと同じように事実(行動)に対して叱ることが重要です。事前に決めたことなどできていなかったことに対して叱ることは、叱られる側にも納得感があります。そうでないと「なんで叱られたんだろう」という印象が残るだけです。また、叱る際は短時間で行うようにしましょう。集中力は長くはもちません。長い時間叱ったとしても、結局何が伝えたかったのだろうという疑問が残る可能性が高いです。

6. パワーハラスメントに注意する
部下を叱る際に、相手にパワハラと捉えられないかと不安になっている方も多いのではないでしょうか。パワハラに当たる行為とそうでない行為をしっかり理解し、適切な叱り方を身に着けましょう。

■パワハラの定義とチェックポイント
厚生労働省によるとパワーハラスメントの定義として「職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの

(出典:厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために)であり、①~③までの要素を全て満たすものと定義されております。すなわち客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、パワハラに該当しません。叱る際は前述の叱る際のポイントを参考に適切に行いましょう。

7. 褒め方・叱り方研修について
部下の褒め方・叱り方については、改めて職場で教えて貰う機会というのは少ないのはないでしょうか。本研修では、褒める・叱る際のポイントからパワハラにならないための叱り方に関する解説をワークを交えながら進めていきます。また、褒める・叱るの大前提として普段からの部下とのコミュニケーションがとても大切になります。ぜひ研修を受講し、この機会に現状の職場の部下との関係性を振り返ることで、改善点を発見していただければと思います。

 

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