ご利用企業さまの声

外部の刺激が、内側を変える。管理職を起点にした“二層構造”の人材育成戦略

株式会社第一興商

「ビッグエコー」をはじめとするカラオケ・飲食店舗事業を全国展開する第一興商にとって、店舗を支える人材の育成は事業成長を左右する重要なテーマです。しかし現場のマネジメント層の教育においては、内製の研修だけでは届かない壁を感じていました。その課題を打破すべく、約10年ぶりに外部研修の活用に踏み出した同社が、なぜSMBCコンサルティングを選んだのか。運用の工夫、見えてきた効果と今後の展望まで、率直に語っていただきました。

お話を伺った方
  • 店舗管理部 店舗総務課 人財開発係 リーダー 佐藤好一様
  • 店舗管理部 店舗総務課 人財開発係 チーフ 田中佐知子様
  • (以下、敬称略)
利用サービス
  • ベーシック(サブスク)(旧・定額制クラブ)

すでに内製の研修を整えていらっしゃる中で、今回、あえて外部サービスの導入に踏み出したきっかけを教えてください。

佐藤:

当社のカラオケ・飲食事業において、複数の店舗を束ねるブロックマネージャーや運営課長は、スタッフの育成や店舗運営の質を左右する、現場マネジメントの要となる存在です。今まで上席の本部長や部長クラスが講師として研修を行っていましたが、何年も続けるうちに、一貫した思いがあるため、内容が限定的になることがありました。定期的な会議を通じて会社の方針を伝える機会は用意されているため、研修ではそれよりも何か新たな知識、新たな気づきを得てほしいという思いが、上席の間で強まっていました。また、内製の研修だとどうしてもインプットが多くなりがちで、グループワークや自分の考えを発表するような場がなかなか作れない、という課題もありました。

田中:

そうした内製の限界を感じていたのと同時に、若手社員とのコミュニケーションという課題も浮き彫りになってきていました。近年は新卒採用が急増し、2026年4月入社の新卒は過去最多を更新する見込みです。しかし20代の社員と30代・40代のマネージャーとでは、働き方や価値観に大きな違いがあります。以前は仕事終わりに食事に行くようなコミュニケーションの場がありましたが、そうした機会も少なくなってきています。かつて自分が経験したやり方では通じない状況で、どうやって関係を築けばいいか悩んでいる管理職も多いようでした。

また、労務環境に対する意識の変化も求められています。自分の感覚的には当たり前だと思っていることが、今の現場ではリスクになり得る。そういったことを管理職にしっかりと理解してもらう場も必要でした。

佐藤:

こうした課題を感じていたところに、ちょうど三井住友銀行の担当者から、SMBCコンサルティングを紹介していただいたんです。以前も外部研修を導入していましたが、コロナ禍の影響などもありストップしていましたので、ちょうどよい機会かもしれない、と感じたのが検討のきっかけです。

内製の限界や、コミュニケーション課題も浮き彫りになる中で、SMBCコンサルティングを選んだ決め手は何でしたか?

佐藤:

店舗事業本部のトップを含む幹部4名でセミナーの見学に行き、他の研修会社の話も聞いた上で、最終的に決め手となった理由は大きく3つあります。一つ目は、プロフェッショナルな講師が揃っている点です。講義のクオリティが高く、内容も新鮮で、マネージャークラスにとっても納得感のある学びを提供できると感じました。二つ目は、他社の参加者との交流です。今まで内製で研修をほとんどやっていましたから、外部の方との交流は大きな刺激になる。三つ目は、アクセスとコストパフォーマンスです。日本全国の社員に参加してもらうため、会場のアクセスが良いことも重要でした。またこれだけのクオリティの研修をリーズナブルに受けられる点でも、他社と比べて大きな優位性を感じました。

受講対象者としたのは、20〜30店舗を管轄するブロックマネージャー・運営課長と、5〜10店舗を管轄するゼネラルマネージャーです。管理職に知識を深めたり知見を広めてもらうことを目的としており、対象者は80〜90名にのぼります。加えて、女性社員の活躍を推進していきたいという狙いで、女性向けの講座の活用も始めています。

多忙な管理職に対して、どのように受講を促しているのでしょうか?工夫している点を教えてください。

佐藤:

店舗ならではの制約を踏まえながら研修を選定しています。まず金曜日・土曜日は繁忙日になるため、避けることが大前提です。日程の都合がつけやすいよう、開催日程が多く、遠方から参加する場合でも受講しやすい1日形式の総合的な研修を選んでいます。SMBCコンサルティングは若手から管理職まで階層別に研修が体系的に揃っているため、役職に応じた研修を選びやすいのも魅力です。同一役職には同一研修を受けてもらう方針で、ブロックマネージャーは管理職向け、ゼネラルマネージャーは管理職もしくは中堅向けの研修から選定しています。

参加を促すための仕組みも工夫しています。同日に受講するメンバーの中からリーダーを選定し、店舗管理部からは研修の数日前になるとリーダーにリマインドメールを送付します。そのリーダーが仲間に声をかけ、参加確認を行うという流れです。参加後には報告書を提出してもらい、上席も目を通すことで振り返りを促しています。

導入から約1年、現場にはどんな変化が生まれましたか?

佐藤:

報告書を通じて、参加者の変化が着実に見えてきています。「現場でも実践していきます」というコメントが寄せられており、部会でのフィードバックの仕方や伝え方を、研修を通じて変えている社員も多いと感じています。また、他社の事例を参考に自社の取り組みへ活かしているというコメントなど、研修での交流から得た気づきを持ち帰る動きも生まれました。ほぼ全員が「また参加したい」と報告書に記しています。マネージャークラスになると体系的な学びの機会は少なくなりがちですが、外部研修が久しぶりなこともあり、新鮮に受け止めているようです。

当初、調理部門のマネージャー職については、技術職という性質上マネジメント系の研修がどこまで響くか懸念もありました。しかし実際に受講してもらったところ、「ためになった」という声が多数。リーダーシップやマネジメントという分野は、職種を問わず共通した学びへのニーズがあることも確認できました。

社内の人間が同じことを伝えても「自分たちはずっとこうやってきた」という気持ちが先に立ちやすい。外部のプロの講師だからこそ持つ説得力が、内製の研修にはない一番の魅力だと感じています。

田中:

私自身も女性社員向けの研修に参加したのですが、受講者の興味を引きながら講義を進めていく話し方や場の作り方も参考になりました。他社の方とコミュニケーションや情報交換をする中で、多くの気づきがありモチベーション向上につながりました。

そして、研修がもたらすものは知識やスキルだけではないと感じています。日々の業務に追われていると、自分がどんな考えを持っているのか、どうなりたいのかといったことを振り返る時間がなかなか取れません。店舗運営を担う社員は、特にそうだと思います。研修の中でアウトプットしながら自分と向き合う時間が持てることは、働き方や生き方を見つめなおす機会として、大きな価値があると感じました。

手ごたえを感じている今、これからの人材育成をどう描いていますか?

佐藤:

大きな課題は、「ストーリーのある研修体系」の構築です。現在の内製研修は、リスク管理やリーダーシップといったテーマについて単発で実施している形で、キャリアステップに沿った全体像がまだ整っていません。副店長から店長になった際に最初に身につけるべきことはこれ、といった道筋が現場任せになっている部分が多いため、今後は研修の内容も盛り込みながら整備していきたいと考えています。今年からは新任のマネージャー・エリア責任者向けの研修を新設する予定で、その一環として位置づけています。ここから徐々にすそ野を広げていき、停滞しがちなベテラン社員のキャリアパスを広げる一助としても、外部研修を活用していきたいですね。

また、コロナ禍以前に活発だった社員同士で学びあう文化の再起動もテーマの一つです。以前からブロックマネージャー・運営課長、店長が主体的に研修を開催しておりますが、再度活発な研修が広まってくれることを期待しています。

研修を開催する中で感じたのは、講師役のメンバーが大きく成長するということです。自分で内容を考え、伝え方を工夫してやり抜くことで力がつく。外部研修で得た知識やノウハウを、今度は自分たちが内側で展開していく。そのきっかけとしても外部研修を位置づけています。

田中:

私もアルバイト時代にマネージャーが主催する研修を受け、とても勉強になりました。外部研修で学んだことを店舗でも展開してくださいという形で発信できたらと考えています。外部研修は終着点ではなく、社内の学習文化を再活性化させる起点になると感じています。

佐藤:

新サービス「みんなの研修」では、ライブ配信を活用することで、遠方からの参加者の負担軽減にもつながると期待しています。

対象者をさらに広げながら、外部の刺激を内側の変化へとつなげていく。その成長の循環を作り上げることが、私たちが目指す人材育成の姿だと思っています。

取材実施:2026年3月
※利用サービス、役職等はインタビュー時点の情報です。

会社概要

株式会社第一興商

1976年事業開始。業務用カラオケシステム「DAM」の提供に加え、「ビッグエコー」をはじめとするカラオケルームおよび27業態の飲食店舗を運営。さらに、高齢者施設向けのエルダービジネスやパーキング事業など多岐にわたる事業を展開。店舗運営に携わる社員は約900名。東京証券取引所プライム市場。