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アンコンシャスバイアス研修【無意識の偏見を防止】

アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を自覚することで、チーム力を高めることを学ぶ

アンコンシャスバイアスとは

アンコンシャスバイアスとは、自分自身では気付いていない、「ものの見方や捉え方の歪みや偏り」を意味します。 「無意識の偏見」や「無意識の思い込み」と訳されることが多く、近年、耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。
アンコンシャスバイアスは、誰もが無意識に持つ偏見であることから、気付かないうちに相手を傷つけてしまうことや、周囲に悪影響を与えてしまうことがあります。

研修の狙い

  • 誰にでもあるアンコンシャスバイアスに気付き、組織への影響を認識する
  • アンコンシャスバイアスをコントロールして働きやすい職場を作る
  • 柔軟なものの考え方・視点を身につけ、ビジネスチャンスの確保につなげる

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~13:00です。

1.アンコンシャスバイアスを知る

(1)アンコンシャスバイアスとは
(2)アンコンシャスバイアスが広まった背景
(3)アンコンシャスバイアスは何が問題か
(4)誰にでもあるアンコンシャスバイアス

2.自分のアンコンシャスバイアスに気付く

(1)あなたのアンコンシャスバイアス度をチェック【個人演習】
(2)日常の中にあるアンコンシャスバイアス
(3)リーダーが気を付けるべきアンコンシャスバイアス
  ハロー効果・確証バイアス・正常性バイアスなど
(4)マネジメントに与える悪影響を知る
(5)自分のアンコンシャスバイアスに気付く
(6)柔軟な思考スタイルを手に入れる

3.職場のアンコンシャスバイアスに気付く【演習】

4.アンコンシャスバイアスをコントロールする

(1)コントロールに必要な3つの重要スキル
(2)アンコンシャスバイアス対策のアクションプラン

5.まとめ

アンコンシャスバイアスが注目される理由

変化の激しい近年の企業経営には、複雑な意思決定や創造性が求められます。そのため、性別、国籍、人種、学歴などにとらわれず、さまざまな人材が活躍する企業である「多様性の高い組織」であることが必要です。
2010年代に、グーグルやフェイスブックといったIT企業が、彼らの組織が「多様性の高い組織」という理想には程遠い状態であることへの危機感を表明し、その背景にあるアンコンシャスバイアスを防止する研修を行ったことから、産業界で重要な課題として認識されるようになりました。日本でも、経営層や管理職の階層研修や、ハラスメント研修、ダイバーシティー研修などにおいてアンコンシャスバイアスが採り上げられることが増えています。

 

アンコンシャスバイアスは良くないものなのか

アンコンシャスバイアスは、いつでも、どこにでも、誰にでもあるもので、それ自体が問題という訳ではありません。
過去から蓄積された経験や知識、価値観、信念をベースに、大枠で物事をとらえ、素早く判断し行動する上で、役立つ存在です。
一方、古い習慣や過去の常識にとらわれたアンコンシャスバイアスは、無意識であるがゆえに修正が難しく、社会の変化や職場の多様性が増す中では、現実とのズレを生じさせることにもつながるのです。
そのため、アンコンシャスバイアスがネガティブに機能しないよう十分に気を付ける必要があります。

 

アンコンシャスバイアスに気付きにくい人の特徴

アンコンシャスバイアスにより、周囲に悪影響を及ぼす人は、自身のアンコンシャスバイアスに気付きにくい人であると言えます。では、そういった人にはどのような特徴があるかをお話しします。

(1)自己防衛心の強い人
自己防衛心の強い人は、些細なことでもそれによって自分を否定されてしまうのではないかという気持ちになりやすく、不安感から自己を防衛するために偏見や思い込みを正当化する傾向が強くなります。

(2)想像力や柔軟性に欠ける
想像力や柔軟性に欠ける人は、過去の成功体験や慣習に固執してしまい、多面的に物事をとらえ多様な選択肢があることへの想像力が働きにくく、他人の意見を受け入れ自分の意見を変えることが難しくなってしまいます。同質性の高い職場に長く勤務している場合に現れる傾向が強くなります。

(3)他者尊重の意識や共感性が低い
他者尊重の意識や共感性の低い人は、相手との力関係や相手にとって何がストレスになっているかに無頓着になり、相手を尊重し、理解し共感しようとする意識が低くなってしまいます。相手との関係性によって、態度を変える傾向もあります。

 

アンコンシャスバイアスの具体例

アンコンシャスバイアスには様々なパターンがあります。日常的に起こりえる典型的なものをご紹介します。

(1)ステレオタイプバイアス
これまでの経験や文化的背景に基づいて、特定の人やグループに対して「性別」「年齢」「国籍」「職業」といった属性ごとに先入観や固定観念を持ち、ステレオタイプ的に見てしまうことです。ステレオタイプは、多くの人に浸透している先入観や思い込みのことを指します。

【具体例】
●医師や政治家は「男性」、保育士や看護師は「女性」の職業だと思い込む
●「高齢者はスマホが苦手」という目で見てしまう
●「イタリア人は〇〇だ」「中国人は○〇だ」と考えてしまう

(2)確証バイアス
自分が良いと思った意見や仮説を検証する際に、それを支持する情報ばかりを集め、否定する情報は無視あるいは集めようとしないことです。

【具体例】
●「この人には仕事を任せない方がいい」と思い込むと、それを裏付ける行動や言動ばかりが目につき、それを否定するようなものは参考にしない
●データを自分のいいように解釈し、自分の意見にこだわり、他の意見に耳を傾けない

(3)集団同調バイアス
他の人と同じことをすれば間違いないだろうと思い込み、周りにいる人に同調し、自分が違う意見を持っていても、それを表に出さないことです。同じような経歴を持った人が多い職場などでは、反対意見を言えないような無言の圧力を感じたり、疑問を持つことを自己抑制したりしています。

【具体例】
●ハラスメント的な指導が行われていても、誰も何も言わないので自分も意見を言えない
●コンプライアンス違反をしていても、周りの人もやっているのだから、大丈夫と考えてしまう

(4)正常性バイアス
危険や脅威が迫っていることを示す情報に対して、過小評価してしまう傾向のこと。不測の事態が発生した際、無意識のうちにそれを正常の範囲内であると捉え、心を平静に保持しようとするメカニズムでもあります。

【具体例】
●災害警戒情報が出された地域に住んでいるにもかかわらず、「うちは大丈夫」と情報を無視し、避難が遅れる
●業績が悪化していても、「自分の会社は倒産しないだろう」と根拠なく思い込み、対応策が遅くなる

(5)慈悲的差別(好意的差別)
自分より立場が弱いと思う他人に対して、本人に確認せずに、先回りして不要な配慮や気遣いをすること。一見優しさのように見えますが、「相手は自分より劣る存在だ」という考え方を前提とした、勝手な思い込みや過剰な配慮を行うことです。

【具体例】
●小さな子どもがいる女性に、大きな負担が伴う仕事や難しい仕事を任せない
●女性の容姿を褒め、「旦那様は幸せ者ですね」と発言する
●男性は女性を守るために強くあるべきだと考える

(6)インポスター(詐欺師)症候群
自分自身に対するアンコンシャスバイアスで、自分の能力や実績が明確であるにも関わらず、過小評価してしまい、周囲をだましている詐欺師のように感じ、慎重になり過ぎたり、失敗を恐れ消極的になったりすることです。

【具体例】
●これまでの成果をすべて運や周囲の人が優秀だったからだと思い込んでいるため、管理職への昇進等を拒む
●周囲をだましている、本当の実力が伝わっていないといった思い込みから、成功するほどにその思いが強くなり、「いつか化けの皮が剝がれるのではないか」と不安を感じる

(7)そのほかのアンコンシャスバイアス
アンコンシャスバイアスは、上記以外にも様々なものがあり、いくつかを簡単に挙げておきます。

〇自分にはバイアスがないと思い込む「バイアスの盲点」
〇馴染みのある解決方法にこだわって、別の解決方法を無視してしまう、「アインシュテルング効果」
〇一部の長所ですべてをよくとらえてしまう「ハロー効果」
〇権威がある地位や肩書きによって、その人物や言動に対する評価が高く歪められてしまう「権威バイアス」 などがあります。

 

アンコンシャスバイアスが職場にもたらす悪影響

アンコンシャスバイアスがネガティブに機能した場合、職場にどのような悪影響を及ぼすかをご説明します。

(1)採用
多様性の高い組織が、複雑な意志決定や創造性においてとても優位であると分かっていても、同質な人材を選んでしまう。

【具体例】
●面接や選考の際に、自分と同じようなタイプを選んだり、職場にいる「似たタイプ」に投影できる人を選んでしまう
●性別、学歴、出身地など採用基準に関係のない属性に選考が影響される

(2)人事考課、配置、昇進
慎重かつ客観的に検討を加えなければならないのに、正しい評価が出来なくなる。

【具体例】
●成果や能力に関わらず、残業や休日出勤など柔軟に対応できない社員を低く評価する
●「女性の後には女性」など、役割を固定したり、属性によって業務に偏りがある

(3)育成
部下の育成については、公平に機会や経験を与えなければなりませんが、無意識に属性で差をつけている。

【具体例】
●外国人や女性はすぐに退職すると思い込み、過度に反応し、簡単な仕事しか任せない。
●自分と同じ大学出身である部下や親しい部下にのみ目をかけ育成するなど属性や関係性で差をつける

(4)組織、経営への影響
組織の成長には、多様な人々がその人らしく受け入れられ活躍する環境が必要です。価値観の多様性を受け入れる組織は、「イノベーションの創出」に優位性を持つことは容易に想像できます。一方、価値観の多様性が認められない状態が継続すると、「〇〇はこうあるべき」という意識が強くなり「パワハラ」を始め、様々なハラスメントが起きやすくなります。加えて、コンプライアンス違反を誘発したり、従業員のモチベーションの低下や、離職率の増加などの事態に繋がってきます。

 

アンコンシャスバイアス研修の実施のポイント

アンコンシャスバイアス研修の目標は、組織に悪影響を与えるアンコンシャスバイアスを生まないようにすることです。そのためには、従業員の行動変容を促す研修を行うことが効果的です。
アンコンシャスバイアスは、自分自身では気付きにくいため、参加者相互の対話型学習により、気付きを得てもらうことが効果的です。
研修によって、「常識、当たり前と思っていたことに疑問を抱く」「多様な考え方、捉え方があることに気付く」ことで、アンコンシャスバイアスへの関心を深めさせ、「言動の改善」といった具体的な行動の変化に繋げていきます。研修は、できるだけ経営者層から始め、管理職層に厚く行うことが必要です。実際、新任の役員・部長・課長への昇進時に行う研修のカリキュラムに組み込む例が増えています。
研修の実施によって、身に付けてもらいたい対処法の例をお示しします。

 

アンコンシャスバイアスへの対処方法

(1)アンコンシャスバイアスの知識を身に付けること
アンコンシャスバイアスは無意識に起こるため気付きにくいものです。それゆえ、アンコンシャスバイアスの意味やパターンを知ることが重要です。

(2)アンコンシャスバイアスを意識する癖をつける
自身の思考の癖や固定観念を意識することで防止することが出来ます。
又、自身は発言に対する相手の反応に注意を払い、一人ひとりのものの見方や捉え方が異なるということを、常に意識していることが大切です。
相手の反応に違和感を抱いた際は、「これは偏見かな」と言葉に出して確認してみる姿勢がコミュニケーションの質を上げることにもつながります。

(3)判断の前に前提となる背景や状況を意識する
一つの事象について、何かしらの判断を行う場合には、その前提となる背景や状況を意識する必要があります。例えば、売上が1割減少したという事象でも、業界全体の売上が3割減少しているなら、よく検討しているという判断が出来るかもしれません。

 

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