社会人基礎力研修
経済産業省が掲げる「社会人基礎力」、前に踏み出す力・考え抜く力・チームで働く力について学ぶ
社会人基礎力とは
社会人基礎力とは、「職場や地域社会などで仕事をしていく上で重要となる基礎的な能力」です。
2005年から2006年に経済産業省は、基礎学力と、職業知識や資格など専門知識に加えて、「職場や地域社会で活躍をする上で必要になる第3の能力として社会人基礎力」が定義されました。
その後、長きにわたり社会のなかで活躍し続けるためには、社会人基礎力に加えて学び続ける姿勢や、なりたい姿のイメージを定めること、定期的に体験を振り返ることがますます重要となってきたことから、「人生100年時代の社会人基礎力」として2018年に再定義されました。
研修の狙い
- 「前に踏み出す力」 一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
- 「考え抜く力」 疑問を持ち、考え抜く力
- 「チームで働く力」 多様な人々とともに、目標に向けて協力する力を身に付け、
ビジネスの現場で発揮できるようになる
プログラム
※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。1日または2日間で行います。
■前に踏み出す力
1.主体性
(1)主体性とは何か【ワーク】
主体性を持って取り組んだことや主体性が発揮できなかったことを振り返り主体性とは何かを理解する。
(2)主体性を発揮するために必要なオーナーシップについて
(3)仕事にやりがいを持つ、ジョブ・クラフティング
2.働きかけ力
(1)上司・同僚を巻き込む力とコミュニケーション(ホウ・レン・ソウ)
(2)誰もが持つべきリーダーシップ
(3)チームワークとは【ワーク】
チームとして取り組んだことやチーム力が発揮できなかったことを振り返り、働きかけ力の重要性を理解する
3.実行力
(1)仕事の流れとPDCA
(2)タイムマネジメントの行い方
(3)粘り強く取り組む
■考え抜く力
1.課題発見力 ~現状を分析し目的や課題を明らかにする力
(1)ロジカルシンキングとクリティカルシンキング
(2)事例から真の問題点を洗い出す【事例研究】
(3)解決策を考える【事例研究】
2.計画力 ~課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
(1)SMARTの法則で目標設定を行うと達成するためのタスク
(2)目標達成のためのタスクに細分化
(3)時間の見積りとスケジュール化
(4)仕事のミスとリスク
3.創造力
(1)イノベーションは何から生まれるのか
(2)創造するための視点と手法
(3)デザイン思考で新商品・新サービスなどを考える【ワーク】
(4)創造に役立つ思考法
・仮説思考
・ゼロベース思考
・ラテラルシンキング
■チームで働く力
1.発信力
(1)分かりやすい文章とは~二つの文章の違い【ワーク】
(2)相手に伝わる話し方
(3)事実と意見が混じると判断に支障が生じる
(4)協力を得られる発信の仕方
2.傾聴力
(1)良いコミュニケーションにおける聴き方
(2)アクティブリスニング
(3)質問を使った聴き方
3.柔軟性
(1)自分のアンコンシャスバイアスを知る
(2)ビジネスに必要な共感力
(3)成長を速める素直さ
(4)相手の意見を取り入れる
(5)受講生同士で自分の趣味を話す【ワーク】
・興味を持って、傾聴して質問する大切さを体験する
4.情況把握力
(1)自分を取り巻く環境(人・組織・社会の流れ)を知る
(2)フォロワーシップとは
5.規律性
(1)コンプライアンスとは
(2)人との約束を守る
(3)セルフコントロールの大切さ
6.ストレスコントロール力
(1)レジリエンスとセルフケア
(2)アンガーマネジメントのトレーニング方法
社会人基礎力を構成する3つの能力・12の能力要素
社会人基礎力は仕事をするうえでの基盤となる能力として、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という3つの能力と、それらを構成する12の能力要素から成り立っています。
前に踏み出す力(アクション)

出典:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料
前に踏み出す力(アクション)とは、「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」を指します。実社会では、正解が決まっているケースばかりではなく、分からない中でも失敗を恐れずに前に踏み出すことも求められます。
又、指示待ちにならず一人称で物事をとらえ、自ら行動・チャレンジすることも求められています。その結果、仮に失敗したとしても、周りの人の協力を得ながら試行錯誤を繰り返し、粘り強く取り組むことが大切です。
前に踏み出す力には、「主体性」「働きかけ力」「実行力」の3つの能力要素が含まれます。
(1)主体性
主体性とは、「自ら物事に進んで取り組む力」を指します。
主体性がある人は、周りからの指示を待つのではなく、担当業務に対して自分なりの意見や考えを持ち、自らやるべきことは何かを冷静に見極め、積極的に取り組むことができます。
時には、担当業務に関係なく「やるべきこと」「やったほうが良いこと」に自ら手を広げて積極的に関与していきます。
〇オーナーシップ
オーナーシップとは、個人が与えられた職務やミッションに対して主体性を持ち、取り組む姿勢やマインドのことを言います。
〇セルフリーダーシップ
セルフリーダーシップとは、自分に対してリーダーシップを発揮することを言います。自身の目標達成に向けて主体的に行動を起こし、そのためのモチベーションも自分でコントロールしていきます。
〇ジョブ・クラフティング
ジョブ・クラフティングとは、自分に与えられた仕事を主体的に捉え直すことで、やりがいのあるものに仕事を創り変えていく取り組みを指しています。
仕事を主体的に捉え直すということは、自分本位で仕事を創りあげるということではありません。常に顧客や同僚など仕事に関連する相手目線で考え、自分なりの価値提供をしていくという意味です。
社員に主体性を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
(2)働きかけ力
働きかけ力とは、「周りの人に働きかけ巻き込む力」を指します。
多くの仕事は一人で完結するものではなく、誰かと協力して進める必要があります。
その際は、相手に納得して取り組んでもらうために協力する必然性を伝えるほか、状況に応じて周囲を鼓舞してリーダーとしての行動が取れるかどうかも重要です。
チーム内でメンバーを積極的に巻き込んでいくことでチームワークも強化できます。
社員に働きかbr力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇リーダーシップ
リーダーシップとは「組織やチームの目標を達成するため、他のメンバーへ影響を及ぼす力」を指します。言い換えれば、組織・チームのメンバーの目指すべき「良い未来」を明確に描き、それをメンバーにイメージさせ、全体を導く力といえます。
リーダーシップのスタイルは、多数存在します。自分に合ったリーダーシップのスタイルを
知ることも重要です。
〇プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルとは、物事を筋道立ててわかりやすく説明し、聞き手の共感をひき出して行動喚起につなげる能力です。
〇チームビルディング
チームビルディングとは、組織を開発するための手法の一つです。具体的には、組織の目標を達成するために、チーム内で個々の能力を最大限に発揮できるように環境整備や取り組みを行うことを指します
〇コミュニケーションスキル
コミュニケーションの目的を大きく分けると、「人間関係を築く」「情報を交換・共有する」「相手に働きかける」の3つになります。
3つの目的に合わせて、「言語」「非言語」を用い、「伝え」「聴き」「読み解く」ことで信頼関係を築いていく技術です。
相手に、自分の想いや情報を上手く伝えることに重点が置かれがちですが、相手からしっかりと情報を受け取ることも重要です。
(3)実行力
実行力とは、「設定した目標に対して確実に行動する力」を指します。
「行動する」とは、自ら立てた目標を達成させようと、失敗を恐れず経験や知識を活かして行動に移し、粘り強く取り組むことで、決して、言われたことだけに取り組むことや、やみくもに動いたりすることではありません。
高い意欲を持って、努力して仕事を完遂し、完遂後もさらに高い目標を設定して行動することが、真の行動力ではないでしょうか。
社員に実行力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇PDCA
Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、仕事の品質を高めようという概念。
〇タイムマネジメント
タイムマネジメントとは「時間の使い方の改善によって、生産性の向上を図ること」を意味します。
タイムマネジメントによる生産性の向上は、①タスクを細分化して洗い出す②期限・目標を設定する③優先順位を明確にすることが必要です。
考え抜く力(シンキング)

出典:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料
考え抜く力(Thinking)とは、「疑問を持ち、考え抜く力」を指します。
例えば、業務の改善を行う場合には、現状を分析し、問題点を洗い出し、問題が起こる真因を見つけ出し、改善計画を作り実行しなければなりません。
自律的に、納得がいくまで考えることを繰り返すことで、考え抜く力が高まります。
考え抜く力には、「課題発見力」「計画力」「創造力」の3つの能力要素があります。それぞれ見ていきましょう。
(1)課題発見力
課題発見力とは、「現状を分析し目的や課題を明らかにする力」を指します。
課題発見力がある人は、必要な情報を収集・整理して関係性を把握した上で、業務本来の目的を意識しながら課題の洗い出しや改善を行うことが出来ます。
社員に課題発見力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。
〇クリティカルシンキング(批判的思考)
現状の課題・問題が何か、その事象を「批判的」に捉えて、本質的な課題は何か、それに対する仮説・解答は何かということを網羅的に、かつ深く考え抜く思考法のことをいいます。
〇ゼロベース思考
プロセスや活動をゼロから見直す思考法です。
課題発見力には課題を見つけるだけでなく「現状ここに問題があり、解決が必要だ」と周囲に提案するところまで含まれます。
〇リフレクションスキル
リフレクションは「反射」「反映」「内省」という意味があり、ビジネスシーンにおいては、通常業務から一旦離れて自分の行動や考え方を振り返り、見つめ直すことを指します。
効率化や改善点を見つけるためにリフレクションが重要です。
(2)計画力
計画力とは、「課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力」を指します。
計画力がある人は、必要なタスクを洗い出して、スケジュールを立て、業務の進捗を確認しつつ、計画とズレが生じる場合には調整をすることが出来ます。
社員に計画力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇SMARTの法則
SMARTとは、
・Specific:「具体的、分かりやすい」
・Measurable:「計測可能、数字になっている」
・Achievable:「同意して、達成可能な」
・Relevant:「関連性」
・Time-bound:「期限が明確、今日やる」
それぞれの頭文字を取った言葉で、SMARTの法則は、目標達成の精度を格段に高めてくれる力を持っています。
〇逆算思考
逆算思考とはゴールと期限を定め、そこから実現するための手順を洗い出し、実行していく考え方です。逆算思考を身に付けるメリットは、以下のものです。
・プロセスの全体像を把握することができる、
・今日するべきことが明確になる
・最小の労力で結果を出すことができる
(3)創造力
創造力とは、「新しい価値を生み出す力」を指します。
創造力がある人は、これまでのやり方に囚われずに新しいアイデアを出すことで、業務の品質を高めることが出来ます。
常識にとらわれないアイデアを数多く出す柔軟な発想も必要ですが、会社の経営資源やノウハウとのシナジーから論理的に生み出す発想も、付加価値やイノベーションの創出につながっていきます。
社員に創造力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。
〇仮説思考
仮説思考とは、自分なりの「仮の答え」を出し、先を見通していく思考方法です。
十分なデータが得られない場合、限られた情報から最も確からしい「仮の答え」を先に想定した上で、その答えに必要な根拠を探しに行きます。
〇システム思考
システム思考とは、問題を一要素だけで考えるのではなく、全体の現象や大きな問題など、広くシステムとして捉える思考法です。全体像を見ながら理解することで、因果関係や相互作用を理解しながら思考を深めることができます。
〇デザイン思考
デザイン思考(デザインシンキング)とは、デザイナーがデザインする過程で用いている思考プロセスをビジネスに活用した考え方のことを言います。顧客のニーズや目的を満たすためにユーザー視点を考え、試作を繰り返すというデザイナーが行っている設計の順序をビジネスに取り入れたものがデザイン思考です。
〇ラテラルシンキング
ラテラルシンキングとは、物事に対する捉え方を変え、さまざまな視点から自由に発想することを試みる思考方法で、日本語では水平思考と呼ばれることもあります。
ロジカルシンキングでは到達することが難しいような問題解決方法を生み出す思考方法として、既成概念に囚われず自由な発想で問題解決を図ります。
〇ゼロベース思考
プロセスや活動をゼロから見直す思考法です。
創造力には過去の経験や先入観にとらわれないゼロベース思考が必要です。「考えても考えても解決の糸口が見当たらない」というときにゼロベースから考えると、思いもつかなかった発想が生まれるかもしれません。
チームで働く力(チームワーク)

出典:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料
チームで働く力(Teamwork)とは、「自分以外の多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」を指します。
一人でできる仕事には限界がありますので、大きな成果を生み出すためには、多様な人と協働が必要です。協働には、自分の意見をわかりやすく相手に伝える力に加え、相手の意見や立場を尊重し、お互いが一定のルールの中で、目標に向けて協力し合える力を磨くことが求められます。
多様な価値観のメンバーと協働する際には、時に、意見が合わず、ストレスを感じることがあるでしょう。その際には、ストレスをコントロールすることも必要となってきます。
チームで働く力には、発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力の6つの能力要素があります。それぞれ見ていきましょう。
(1)発信力
発信力とは、「自分の意見をわかりやすく伝える力」を指します。
発信力がある人は、自分の意見を相手に正しく理解してもらうために要点をまとめ、事例や客観的データなども用いて、相手の意に沿って、的確に伝えることができます。
又、報告・連絡・相談を適切なタイミングで行い、円滑に業務を進めていきます。
社員に発信力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。
〇プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションスキルとは、物事を筋道立ててわかりやすく説明し、聞き手の共感を引き出して行動喚起につなげる能力です。
〇ロジカルライティング
論理的に構成された、簡潔明瞭でわかりやすい文章を書くスキルのことを指します。簡潔とは「表現が簡単で要領を得て無駄がないこと」、明瞭とは「意味が明らかであり、筋道がとおり、曖昧さがないこと」を意味します。
〇コミュニケーションスキル
コミュニケーションの目的を大きく分けると、「人間関係を築く」「情報を交換・共有する」「相手に働きかける」の3つになります。
3つの目的に合わせて、「言語」「非言語」を用い、「伝え」「聴き」「読み解く」ことで信頼関係を築いていく技術です。
相手に、自分の想いや情報を上手く伝えることに重点が置かれがちですが、相手からしっかりと情報を受け取ることも重要です。
(2)傾聴力
傾聴力とは、「相手の意見を丁寧に聴き、相手の伝えたいことを引き出す能力」を指します。
傾聴力の高い人は、話を聞く際に、相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなどして相手の意見を引き出すことができます。
そのため傾聴力には、相手の気持ちに寄り添って、素直に相手の話を受け止める姿勢で、集中して話を聴けるかどうかが重要と言えます。
社員に傾聴力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇アクティブリスニングスキル
アクティブリスニングとは、積極的傾聴とも呼ばれ、受容と共感の姿勢で相手の話に耳を傾け、話し手自らが会話を通して問題の原因や解決への糸口を見つけられるよう支援することが特徴です。
〇質問力
質問力とは、疑問点や不明点を問いかけて事実を正しく理解する能力のことを指します。
相手の意図や状況を把握し、会話を広げたり、疑問を解消したりするために質問を投げかける力であり、コミュニケーション能力の一つに分類されます。
(3)柔軟性
柔軟性とは、「意見の違いや立場の違いを理解する力」を指します。
柔軟性が高い人は、自分と異なる相手の意見や立場を尊重して受け入れることができます。又、アドバイスを素直に受け入れることができ、成長スピードが速くなります。
社員に柔軟性を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇ラテラルシンキング
ラテラルシンキングとは、物事に対する捉え方を変え、さまざまな視点から自由に発想することを試みる思考方法で、日本語では水平思考と呼ばれることもあります。
ロジカルシンキングでは到達することが難しいような問題解決方法を生み出す思考方法として、既成概念に囚われず自由な発想で問題解決を図ります。
〇共感力
共感力とは、他者の考えや意見にその通りだと感じることや、喜怒哀楽といった感情に寄り添うことができる力です。他者と信頼関係を築き、良好なコミュニケーションをとるうえで非常に重要な力と言えます。
〇アサーションスキル
アサーションとは、「自己主張」という意味の単語で、相手と対等な立場に立って自己主張をするためのコミュニケーションスキルのことです。
相手の主張を強く否定するや強い口調で無理に押し込めるのではなく、お互いの価値観を尊重しつつ、自分の意見を的確に伝えるためのスキルです。
〇アンコンシャスバイアスに気付く
アンコンシャスバイアスは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、誰かと話すときや接するときに、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、「この人は○○だからこうだろう」「ふつう○○だからこうだろう」というように、あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるものです。
自分の持つアンコンシャスバイアスに気付くことは、柔軟性の向上につながります。
(4)情況把握力
情況把握力とは、「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」を指し、具体的には、
チームや社内の状況を把握し適切な対応を行う能力です。
情況把握力が高い人は、メンバーの業務・役割を幅広く理解するのはもちろんのこと、社内の暗黙のルールや場の空気を読んで仕事を進めることが出来ます。
社員に情況把握力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇チームビルディング
チームビルディングとは、組織を開発するための手法の一つです。具体的には、組織の目標を達成するために、チーム内で個々の能力を最大限に発揮できるように環境整備や取り組みを行うことを指します。
〇フォロワーシップ
フォロワーシップとは、フォロワー(組織やチームを率いるリーダーのもとで業務を遂行する社員)が組織やチーム、リーダーのために主体的に考えて行動することを意味します。
時にリーダーと異なる意見を持った際に建設的に批判することや、リーダーの仕事を引き受けるなど、積極的な行動も行います。
〇観察力
観察力とは、身の回りの状況や事象を注意深く観察することで、様々な知見や気付きを得られる能力です。ビジネスにおける観察力は、人物に対する能力と物に対する能力に分けられます。物事の変化にいち早く気が付いて行動につなげられる観察力は、ビジネスでは重要なスキルといえます。
(5)規律性
規律性とは、「社会のルールや人との約束を守る力」を指します。
規律性が高い人は、企業や社会のルールを守り、高い倫理観をもって行動することが出来ます。社員に規律性を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇セルフコントロール
セルフコントロールとは、様々な誘惑に対して、望ましくない衝動、抑えなくてはいけない感情・思考や行動が起こってしまいそうになる場面で、自分自身の反応をより良い方向に変えていくことです。
又、目標達成のためにコツコツと行動を継続するための(目標と逆行した行動をとらないための)心の働きでもあります。
〇コンプライアンス意識
コンプライアンスとは、「法令遵守」のことをさし、企業や個人が法令や社会的ルールを守ることを意味しています。 コンプライアンスに求められるのは「法令を守れば良い」というわけではなく、企業倫理や社会規範などに従い、公正・公平に業務を行うという意味も含まれています。
(6)ストレスコントロール力
ストレスコントロール力とは、「ストレスの発生源に対応する力」を指し、気分の浮き沈みをコントロールして、モチベーションを保つ能力です。
ストレスコントロール力が高い人は、ストレスの原因を見つけて自力で取り除くことができ、ムラなく継続的に業務に取り組み、成果を上げていくことが出来ます。
社員にストレスコントロール力を身につけてほしい場合、以下のスキル研修の受講が効果的です。
〇セルフケア
セルフケアとは、ストレス等による体調不調を予防するために、自分自身が行なうケアのことです。上司などが行なうケアをラインケアと言い区別されます。
ストレスを溜めないようにすることと同じくらい、ストレスが溜まったときに適切な対処をすることも重要です。
セルフケアの方法は、本を読む、音楽を聴く、旅行をする、運動をするなど人それぞれです。自分に合うセルフケアの方法を知っていれば、心が疲れ切ってしまう前に自分で対処できるようになります。
〇レジリエンススキル
レジリエンスとは、「回復力」「弾性(しなやかさ)」を意味し、スキルを身に付けることで、困難な問題、危機的な状況、ストレスといった要素に遭遇しても、すぐに立ち直ることができるようになります。
〇アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、直訳すると「怒りの管理方法」となります。怒りの感情と上手に付き合うための心理教育または心理トレーニングとして、1970年代にアメリカで生まれました。
自分の怒りを感じたら、すぐに怒りをぶつけるのではなく、まず6秒待って怒りを静める「6秒ルール」などのトレーニング方法が有名です。
人生100年時代の社会人基礎力

出典:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料
経済産業省は2018年、従来の社会人基礎力に「個人の企業・組織・社会との関わりのなかで、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」という観点を取り入れ、「人生100年時代の社会人基礎力」として再定義しました。
再定義された社会人基礎力では、自分自身について「リフレクション(振り返り)」することの重要性と、「目的」「学び」「統合」の「3つの視点」のバランスを図ることの必要性が新たに示されました。
〇どう活躍するか(目的)
「どう活躍するか(目的)」は、自己実現や社会貢献に向けてどのように行動するかに関する視点です。
〇何を学ぶか(学び)
「何を学ぶか(学び)」は、学び続けることを学ぶということに関する視点です。
〇どのように学ぶか(統合)
「どのように学ぶか(統合)」は目的の実現に向け、リフレクション(振り返り)と体験・実践、多様な能力を組み合わせることに関する視点です。