イノベーション研修
既成概念にとらわれず、イノベーションにつなげるための新しい発想の考え方を学ぶ
イノベーションとは
イノベーションとは、ある事象に対して、新しい発想・技術で価値を創造することです。
純粋に今までに無かったものを見出すこと、今までにあったものを組合わせることを通じて見い出されること、など様々な形で、イノベーションを実現することが可能です。
イノベーションという表現は、技術発明に用いられることがよくありますが、技術開発だけでなく、顧客のニーズやシーズを掛け合わせて新たな価値を創造し、社会的の大きな変化にもたらしていくことまでを意味しています。
研修の狙い
- イノベーションを実現するために必要な考え方を学ぶ
- 発想を広げ、豊かにするための発想法を理解する
- 自社で考えられるイノベーションをグループワークを通じて考え、発想力を養う
プログラム
※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。
1.イノベーションとは
(1)新しいアイデアから新たな価値を創造する
(2)我が社でできるイノベーションを考える 【ディスカッション】
(3)直感的な発想を楽しむことからはじめる
2.ビジネスに求められる思考
(1)ゼロベース思考
(2)問題の本質要因を見出すロジカルシンキング
(3)物事の枠を超えて考えるラテラルシンキング
3.ビジネスにおけるイノベーション事例
4.様々な発想法を知る
(1)ブレインストーミング
(2)KJ法
(3)マンダラート(3×3のマスを埋める発想法)
(4)SCAMPER(チェックリストに当てはめて考える発想法)
(5)掛け算型で考える
5.イノベーションを考える ~実践~ 【グループワーク】
(1)アイデア出し
(2)アイデアの検討
(3)アイデアの集約
(4)アイデアの具体化
(5)チームでのイノベーション発表
6.まとめ
イノベーションの考え方
(1)シュンペーターの著書『経済発展の理論』では、イノベーションは新結合という考えで、今までにあったが、それらの関係はなく、組み合わせて考えることで、新しいものを創造できることを意味しています。
イノベーションとして以下の5つの類型を提示しています。
①新しい商品・サービス
②新しい生産方法
③新しい販路先
④新しい原料・半製品の供給源
⑤新しい組織
(2)ドラッカーの著書『イノベーションと起業家精神』では、イノベーションは新しいひらめきという視点を、イノベーションの体系を理解し適切な方法論を用いることで実現できるとしています。
ドラッカーはイノベーションを7つの機会として提示しています。
■第一の機会 予期せぬ成功と失敗を利用する
すべての企業にとって、予期しない成功と失敗は存在します。この体験を価値のあるものと捉え、その小さな成功が自社の事業変革にとって必要な変化であるかを考え、事業展開につなげていくことがイノベーションにつながります。
■第二の機会 ギャップを探す
過去成功した企業がよく陥る固定観念での企業と顧客のギャップを、様々な体系で考える
①業績ギャップ:自社を取り巻く市場成長率と自社業績のギャップ
②認識ギャップ:自社を取り巻く産業の常識と顧客認識のギャップ
③価値観ギャップ:自社の先入観と顧客ニーズのギャップ
④プロセスギャップ:自社を取り巻く産業の業務プロセスと顧客ニーズのギャップ
■第三の機会 ニーズを見つける
ニーズをあいまいに捉えることではなく明確に捉えることが求められています。
①プロセス上のニーズ:業務フローにおける困っていること、不合理的なプロセスを解決していくニーズ
②労働力上のニーズ:労働に関わる業務を自働化・省力化して解決していくベース
③知識上のニーズ:研究開発によって解決できるニーズ、また研究開発に必要な知識を獲得していくニーズ
■第四の機会 産業構造の変化を知る
産業構造が安定的であっても、少しの変化によって産業構造が大きく変化する可能性があるということです。
■第五の機会 人口構造の変化に着目する
少子高齢化など人口構造の変化であり、これはある程度予測可能なことです。その変化は統計データだけでなく、社会・周囲の変化で感じることもあります。
■第六の機会 認識の変化をとらえる
物事に対する見方は様々です。ある事象に対し、多くの切り口で見ていくことが必要となります。
■第七の機会 新しい知識を活用する
専門的な技術だけでなく社会的知識など、多面的な知識が求められています。
イノベーションに必要な思考
(1)ゼロベース思考
ゼロベース思考とは、今までに持っている前提や知識からではなく、0から1を導き出す思考です。物事を考える時や解決するときは、今までの経験から考えることが多く存在します。しかしながら経験値や価値観という固定観念に引っ張られると、思考の範囲が狭まり、最適解を選択できないことがあります。経験値から導き出すことは時間的には早く成功することも多いですが、環境変化が激しい時代にはゼロベースで考えるゼロベース思考も求められています。
(2)ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは、垂直思考と言われ一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことで、論理思考あるいは論理的思考です。
会議や打ち合わせで、「で、何が言いたいの?」「もう少し整理して話して」などと言われることがあります。これは、ロジカルシンキングが出来ていない典型的な事例と言えます。ロジカルシンキングは、ビジネスの様々な場面で役立つことから、ビジネスパーソン全員が身に付けるべきスキルと言われ、問題解決や円滑なコミュニケ―ション、仕事の効率化に効果を発揮します。
●ロジカルシンキングの考え方
論理的に物事を考える場合、私たちは無意識のうちに演繹法と帰納法という2つのアプローチを用いています。なじみのある言葉ですが、これらをきちんと理解しておくことが、ロジカルシンキングをトレーニングする上で非常に重要です。
▶帰納法/演繹法
帰納法は ①データ(事実)から傾向や法則を読み取り、②論拠(理由)で仮説・推論して ③主張を導きだす論理法です。また、演繹法(えんえきほう)は一般論となる ①論拠(理由)から観察事項となる ②データ(事実)を結びつけてそこから ③主張を導き出す論理法です。
▶三角ロジック
「三角ロジック」は、論証のパターンの枠組みのもっとも基本的な形です。
普段意識することなく行っている思考方法ですが、論理的思考の基礎となる考え方であり自説を確認したいときや、相手の論理に疑問を感じたときなどには活用できるツールです。
▶MECE
MECEは、Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取った用語です。「ある事柄やものごとについて、お互いに重なることなく、しかも全体として漏れがない状態であること」を指します。 MECEを念頭に思考することで、重要なポイントの見落としがないか?あるいは同じことを重複して考えていないか?を確認することが可能になります。
▶ロジックツリー
ロジックツリーとは直訳すると論理の木で、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に探すためのフレームワークです。頭の中では整理しきれない事柄や情報をロジックツリーという図に落とし込むことで整理することができます。ロジックツリーを作成する際は、MECEを念頭に置いて、漏れやダブりが無いように作成しましょう。
▶ピラミッド・ストラクチャー
ピラミッド・ストラクチャーとは、伝えたい「結論」と「その根拠」をピラミッド状に図式化するフレームワークです。
ピラミッド・ストラクチャーを意識した発言や文書は、聞き手や読み手が理解しやすくなる効果があります。これは、ある結論が「論理的に正しい」ことを説明するため、根拠を箇条的にいくつも並べるより、結論を頂点として複数の根拠を、下部に配置したピラミッド構造にした方が理解しやすくなるためです。
(3)ラテラルシンキング
ラテラルシンキングは水平思考と言われ、ロジカルシンキングが段階を踏んで考える思考法に対し、違った様々な異なる角度から状況を捉えることによって、問題の本質を探索したり、新しい発想を見つけ出したりする思考法です。
当社のイノベーション研修について
当社の研修では、イノベーションを実現するために必要な考え方を学ぶことを目的としています。前半では、イノベーションとは何なのか、イノベーションに必要な様々な思考法を解説いたします。また、過去の事例を紹介しイノベーションの起こし方のヒントや自社での活かし方を学んでいただきます。
後半では実際に自社でイノベーションを行うためのステップを学んでいただきます。
ステップ①: 前半で学んだ思考法を使って、自社の課題や問題点を洗い出す。
ステップ② :①で出た課題や問題点を解消するために、自社で出来ること・出来ないことを整理する。
ステップ➂ :自社で出来ることの中から、実際に具体化していくものを決める。
ステップ④ :➂を具体化するために必要なステップを考え、実行する。
研修の最後には、実際に自社でどのようなイノベーションを実践するのか発表していただきます。
本研修は経営幹部・管理職や経営企画・経営戦略の担当の方におすすめの研修です。ぜひご参加ください。