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新入社員研修・新人研修の目的と内容

社会人マインドを醸成し、ビジネスマナー・コンプライアンス・コミュニケーション等社会人に求められるビジネススキルを学ぶ

研修の狙い

  • 社会・組織で働く心構えを醸成し、ビジネスパーソンとして求められる行動規範を学ぶ
  • 印象管理・言葉づかい・電話応対・ビジネス文書・名刺交換等のビジネスマナーの重要性を理解し、ワーク・ロールプレイングを通じて身につける
  • 社内・外部とのコミュニケーションの基本と、「報・連・相」等の仕事の進め方を学び、主体的な新入社員を目指す

プログラム内容

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.社会人としての心構え【講義・ワーク】

(1)学生と社会人の違いって何だろう?
(2)あなたにとって働くということは?
(3)仕事を通じて成長する
(4)人間関係の5つの基本を忘れるな!

2.会社ってこんなところ【講義・ワーク】

(1)企業が果たすべき役割と責任とは?
(2)組織とはどういうものか?
(3)組織で働くとはどういうことか?
(4)間違った行動が会社を潰すかも~コンプライアンスの重要性~

3.できる新人の仕事の進め方の基本【講義・ワーク】

(1)仕事を早くマスターするポイント
(2)新入社員として心がけるべき7つの意識
 ①顧客意識
 ②品質意識
 ③改善意識
 ④コスト意識
 ⑤納期意識
 ⑥時間意識
 ⑦規律意識
(3)PDCAサイクルを徹底的に回すことが成長につながる
 ①PDCAとは何か?
 ②PDCAサイクルの回し方

4.ビジネスマナーの大切さを認識していますか?

(1)お客様は黙って見ている
(2)あなたの印象が企業イメージを決定する

5.印象管理の重要性

(1)第一印象がよくなる服装・身だしなみ【身だしなみチェック】
(2)好感度アップのあいさつの仕方
(3)何気ない態度がお客様に影響を与える【ペアワーク】
(4)立ち方・座り方・お辞儀・歩き方

6.正しい言葉遣いをマスターする【トレーニング】

(1)敬称・敬語の正しい使い方
(2)好感度を高める言葉遣いとは
(3)これだけは知っておきたい職場用語

7.ファンをつくる電話応対【ロールプレイング】

(1)電話応対の重要性
(2)電話応対の基本
(3)正しい電話の受け方・かけ方
(4)伝言メモの書き方
(5)電話応対トレーニング

8.ビジネス文書の基本【ワーク】

(1)ビジネス文書の特徴と種類
(2)社内文書と社外文書のパターンを知る
(3)わかりやすい報告書の書き方
(4)電子メールのマナー

9.名刺交換であなたの真剣さがわかる【トレーニング】

(1)名刺の扱い方
(2)名刺交換の仕方

10.コミュニケーションがすべての仕事の基本

(1)上手なコミュニケーションの取り方
(2)人間関係を円滑にさせる5つのポイント
(3)上司との接し方

11.報告・連絡・相談の行い方

(1)報告・連絡・相談とは
(2)なぜ報告・連絡・相談が仕事をする上で重要なのか?
(3)報告・連絡・相談を行う前に「指示・命令」の正しい受け方とは【ロールプレイング】
(4)「指示・命令」を正しく受けるための話しの聞き方
(5)報告力を高める重要ポイント
(6)上司・先輩が安心する報告の仕方
(7)人間関係力を高める相談の行い方
(8)相談をして自分の成長につなげる
(9)総合ミニケース演習

12.よし、やろうじゃないか!さあ、明日から頑張ろう!!

(1)自分のキャリアは自分で築く時代
(2)プロとして通用するために
(3)社会人になってからが本当の勉強
(4)“プロフェッショナル”になるための自己宣言

13.総まとめ

新人研修の目的と内容

「新入社員研修」は、新しく入社した新卒採用者(一部中途採用者)を対象に行うもので、大多数の企業が実施しています。実施期間は、会社によって異なり、数日から数か月まで様々ですが、今回は、入社直後の新入社員研修(以後、新入社員研修)について、詳しく見ていきたいと思います。

新入社員研修は、社会人としてのマインドセットを行い、基本的なビジネスマナーを学ぶ以外にも、業務に必要な基礎的な知識の習得など、新入社員がこれから企業で活躍していくための土台づくりを行う重要な教育機会です。新入社員研修を終えたら、各部署に配属することを前提としているため、現場の管理職などとも事前に内容の擦り合わせを行い、どのようなスキルや知識が必要であるのかを明らかにしておくことが大切です。研修内容を充実させることは大事ですが、時間的な制約があるため、教える内容には優先順位をつけておく必要があります。

 

新入社員の研修カリキュラムを作成する際に、取り入れるべき内容は

1.社会人としてのマインドセットを身に付ける

2.守るべき職場のマナー(ビジネスマナー)

3.正しい接遇マナー

4.会社についての理解

5.基本スキルの習得

6.プロとしての仕事の取り組み方

7.チームによる目標達成   等

 

それでは、詳しくご説明します。

 

1.社会人としてのマインドセットを身に付ける

(1)マインドセットとは


「マインドセット」とは、過去の経験や教育の内容、育ってきた社会、個人的な先入観などの、さまざまな要素によって形成される無意識の思考パターンや固定化された考え方をいいます。新入社員研修で行うマインドセットの変更は、今までの生活で固定概念ができてしまっているものを、一度リセットさせるという意味が込められています。
マインドセットといっても、新入社員に対して社会人の価値観を一方的に押し付けるというよりは、社会人としての責任や環境の変化を理解した上で、考え方を変えて率先して行動するための意識改革と捉えることが重要です。

(2)社会人として持つべきマインドセットの内容

① 社会人としてのマインドセット
学生時代というのは、学校に行けば先生が教えてくれる、そしてそれが当たり前だと感じます。会社では、分からないことは、自分から質問する姿勢がなければ、全員が教えてくれるとは限りません。又、学生は、好きな人とだけ付き合えばよい場合が多いが、社会人の場合は、誰とでも協調性をもって、仕事をする必要があります。

②プロ意識
新入社員であっても社会人である以上は、各人が会社の代表として見られることになります。又、お客さまから見ると、サービスを提供している人はお金を受け取る以上プロとなります。
そこで一人ひとりが、自らが関わっている仕事やプロジェクトにおいて最善を尽くし、お客様の期待値を上回るパフォーマンスを発揮できるよう、どうすべきか考えて向上心を持ち続ける「プロ意識」持つことが大切です。このような「プロ意識」は、「顧客志向」と言い換えることが出来ます。

③コンプライアンスの遵守
新入社員の中には「コンプライアンス」を「法令遵守」という意味で理解している人もいますが、コンプライアンスは法令さえ守っておけば良いというわけではないことを十分に理解させなければなりません。公共の場で同僚と社内の話をしていた場合、話の内容に自社や取引先が特定できるレベルの情報が含まれていると、情報漏洩としてコンプライアンス違反に該当する可能性があります。コンプライアンスで取り上げるべきテーマは多岐に渡ります。その中でも、業種・職種に関係なく新入社員研修で共通して取り上げるべきテーマをご紹介します。

ⅰ)情報セキュリティ(SNSの使用方法)
新入社員が特に気をつけないといけないことは「SNSの使用方法」です。機密情報や個人情報、仕事の愚痴などをうっかり投稿することがないよう研修でしっかり、伝えなければなりません。

ⅱ)ハラスメント
近年「ハラスメント」に対する意識は世間的にも高まっています。「ハラスメント」は上司から部下に対するイメージが強いですが、新入社員が何気ない言動によりハラスメントの加害者になるケースも発生しています。
ハラスメントについて研修を行う場合は、ハラスメント行為を伝えるだけでは不十分と言えます。ハラスメントを引き起こさないための環境づくりや、自分自身が被害者になった場合の対応方法なども伝える必要があります。

ⅲ)社内規定や就業規則
交通費や経費の精算、会社の備品を持ち帰り自宅で使うことだけでなく、業務用のPCなどを私用のメールやオンラインショッピング、インターネット閲覧に使うケースなど、新入社員に伝えておくべき社内規定や就業規則は多くあります。また、副業を禁止している会社の場合、会社に黙って副業をすることもコンプライアンス違反になり得ますので、禁止行為を認識させる必要があります。

ⅳ)法令遵守
業務に関わる法令については十分に習得し、遵守することは当然です。それ以外にも、プレゼンテーション資料を作る場合や、公式ブログやSNSを投稿する場合などにも、著作権・意匠権・商標権を侵害しないよう、知識を備えておく必要があります。新入社員研修時にすべてを修得することは無理としても、全体像を理解させ、法に抵触する懸念のある時の対応方法については、しっかりと理解させることが大切です。

④ポジティブ思考で目標を持つ
マインドセットで最も大事なことは、ポジティブ思考で目標を持つことです。近年ビジネスにおいて、マインドセットが重要視されるようになってきている理由の一つとして、マインドセットがポジティブであるかどうかによって、個人のパフォーマンスや成長スピード、仕事の成果に影響があるといわれていることが挙げられます。たとえば、新たな目標に対してポジティブなマインドセットを持った人であれば、未知の業務にも積極的に取り組むことができます。人間が新たな学びを得ることや、スキルを習得することができるのは、このポジティブ思考があるためです。新入社員研修で、失敗をしても「失敗を成功のもと」としてとらえる思考になることができれば、今後も成長は約束されていると言えるでしょう。

 

2.守るべき職場のマナー(ビジネスマナー)

(1)職場のマナーとは

さまざまな価値観や背景、年齢層の人間が混在する職場では、ビジネスマナーはすべてのビジネスパーソンにとって、信頼関係を構築するための入口となるものです。新入社員研修で行う職場のマナー教育は、業界や業種を超えて普遍的な要素を、「基本」の型としてしっかり教育することが大切です。そのうえで、自社のビジネス慣行を伝えることで、応用の利くビジネスマナーを身に付けることができます。

(2)マナー研修の内容

①挨拶
挨拶は、第一印象を左右する基本的な要素です。人との仕事において、挨拶は最初に行う行動です。人は先入観に左右されてしまう部分がありますので、挨拶の時の印象で、そのあとの対応が影響を受けるかもしれません。気持ちよい挨拶が出来るかどうかで、話を聞いてもらえるのか、協力関係を積極的に構築できるのかが変わってくる可能性があります。

②質問の仕方
業務経験の少ない新入社員にとっては、社内においても、対顧客においても、どれだけ「教えてもらえるか」が成長に大きくかかわってきます。そのため、質問の仕方は、新入社員のその後の人間関係や本人の成長スピードを大きく左右するといえますので、スキルアップ・キャリアアップを支援する意味でも、早いうちに上手な質問の仕方を身に付けさせることが大切です。相手に話してもらいやすいTPOに応じた質問の仕方を覚えることで、より多くの情報が得られ、更には、顧客からも信頼され、業績を高めることができるでしょう。

③報・連・相
報・連・相はどんな業種や職種においても、成果をあげたり、人間関係を作ったりするための基本要素なのです。報・連・相ができなくては、協力して仕事を進めることができませし、お客さまにも迷惑をかけてしまうことが増え、成果をあげることが難しくなります。特に、新入社員にとって、報・連・相は上司や先輩の力を借りるための手段にもなります。報連相が上手い人は、上司や先輩のアドバイスや支援を多く受けることが出来ることから自ずと大きな成果をあげることができます。

④敬語や言葉遣い
敬語や言葉遣いは、ビジネスマナーの中でも新入社員が苦戦する項目のひとつです。言葉遣いは相手への配慮、敬意を表すものですから、しっかりと身につけなくてはなりません。

 

3.接遇マナー

接遇マナーとは、顧客への応対に必要なマナーのことです。新入社員が接遇マナーでおさえるべきポイントは以下の7つの項目です。

①あいさつ
②表情
④身だしなみ
⑤言葉遣い
⑥電話対応
⑦名刺交換
⑧ビジネス文書・メール

相手を大切に思う気持ちを適切に表すための基本マナー(あいさつ・表情・身だしなみ・言葉遣い)について演習を交えながら体得します。演習では、対人関係において相手に与える「印象の重要性」を再認識します。他の受講者や講師からのフィードバックにより自らの印象について強みと改善点を把握し課題を確認させます。電話応対は、新入社員が苦手とする項目です。相手に好印象を与えるポイントを確認し、相手の状況に応じた対応力を学びます。名刺交換は、取引先との面談のスタートであり、良い印象を与えることが重要です。学生時代に名刺を使っていた新入社員は少ないですので、演習やワークを通して、必要なマナーを確認し、実践につなげます。ビジネス文書やEメールについては、ビジネス上のルールが確立していますので、新入社員にはしっかりと型を覚えてもらう必要があります。ビジネスチャットは、ルールが確立しているわけではありませんが、ビジネス文書を参考に、相手を思いやることを基準に、使用時の注意点について確認します。

 

4.会社についての理解

企業によって業務内容は異なりますので、新入社員研修のなかでは一番オリジナリティが出る部分であり、重要な目的といえます。新入社員に企業の一員として、企業理念・事業内容、社内ルール・就業規則・行動規範などをきちんと説明することで、共通認識をもってもらえるようになります。実際の業務に入る前に、自分の会社が社会でどんな役割を果たしているのか、どのように業務が回っているのかを知り、自分の仕事がどう周囲に影響するのかを把握できれば、モチベーションの維持にもつながります。

 

5.基本スキルの習得

業務内容が異なっても通じる根幹にある仕事の基本スキルは、新人研修の中で身に付けておくことが大切です。これをせずに各部署のOJTに新人を送り込んでしまうと、OJTの中で仕事の基本スキルを教育せざるを得ないためトレーナーになる先輩社員の負担がとても大きくなりますし、大変非効率になってしまいます。

新入社員にとって役立つ基本スキルとはどのようなスキルなのか、以下に4つの例をご紹介します。

 

①コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルとは、スムーズな情報共有を実現するスキルを指し、傾聴力や共感力と言い換えることが出来ます。コミュニケーションが得意な人は、自分の意見を分かりやすく伝えたり、相手の意図を的確に汲み取ったりできます。新入社員にとっては、職場における信頼関係の構築や心理的安全性の確保にとって重要な能力です。

 

②ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、物事を筋道立てて考え、結論を導き出す能力のことです。新入社員に限らず、問題解決や意思決定などのビジネスシーンの重要な場面で役立ちます。コミュニケーションを苦手とする人には、ロジカルに整理して伝える力が不足している場合もありますので、コミュニケーションスキルの向上にも効果があります。

 

③PCスキル

新入社員には、基本的なパソコンスキルの研修を行うことが必要です。基本的なパソコンスキルとしては、エクセルなどの表計算、パワーポイントなどの資料作成などのスキルが挙げられます。PCスキルは、仕事のスピードに大きく関わりますので、PCスキルの重要性は、今後も高まると見込まれています。

 

④自己管理能力

新入社員の自己管理能力(セルフマネジメント)を向上させるには、仕事の段取りを考えて行動をする、すべきことの優先順位をつけるといったことを意識することが大切です。どの仕事をどのような段取りで、どの程度の完成度で、いつまでに終わらせるか、タイムマネジメントを行えるようになれば、効率的に仕事ができるようになるでしょう。

 

6.プロとしての仕事の取り組み方

プロとしての仕事の取り組み方は、責任感・倫理観・仕事への情熱などのさまざまな要素から構成されています。新入社員研修で身に付けてほしい、3つの要素について説明します。

 

①責任感

プロとして仕事に取り組むうえでは、自身が担う役割に対して責任感を持ち、誠実に取り組むことが重要です。新入社員には、自分の仕事が組織や社会にどのような影響を与えるかを考え、自ら進んで責任を持って行動することを身に付けてもらうことが重要です。

 

②倫理観

倫理観を持って業務を遂行することもプロ意識を語るうえでは、外せない要素です。知識や技能が、十分に備わったとしても、倫理観(道徳観)とのバランスがとれていなければ、プロとしてとしては、非常に危険と言わざるを得ません。企業活動を行う上では、法令に違反しない行為であっても顧客から問題視されることがあります。

「社会から受け入れられないような行為」は断じて行うべきではなく、新入社員にはビジネスパーソンとして正しい行動を選択することが、多くのお客さまから信頼を得ることに繋がり、自己と会社の評価を上げることになることをしっかりと理解させます。

 

③仕事への熱意と誇り

自分が担った仕事がどのような価値を生み出し、社会や組織にどのような貢献をするかを新入社員の段階から理解することで、仕事に対して熱意を持ち、誇りを持って取り組むことが出来るようになり、プロとして、大きく成長するはずです。

 

7.チームによる目標達成

企業では、多くの人が関わり合って多くの仕事を行っているため、チームで働く力はどんなビジネスパーソンであっても必要です。新入社員研修では、チームとは何か、メンバーに必要なことは何かといった基本的なところから考え、理解した上でチームワークを体験できるゲームを行って、自身の役割を組織に対してどのように果たしていくのかイメージを膨らませ、今後の目標を立てることを行います。

新入社員研修の主な形態と特徴

今まで新入社員研修では、社会人としての心構えなどを講義形式の座学で学び、名刺交換などの内容にはロールプレイングなどを交えることが一般的でした。しかしながら、最近では、研修効果を一層高めるとともに、「自ら考え行動する」自立型人材を養成するため、主体的かつ自律的に学ぶスタイルの研修形態を取り入れる企業も増えてきています。
それでは、新入社員研修の主な形態と、それぞれの特徴について見ていきましょう。

 

1.講義形式

新入社員研修で最もよく取り入れられるスタイルが、講義形式です。新入社員が会議室など研修会場に一堂に会し、社内外の講師が講義を行います。講義形式のメリットは、伝える知識の質が担保できる点です。また、書類やスライドで多くの情報を一度で伝えられ、必要な知識を効率的に伝授できるため、一般的な知識や汎用性の高い知識を身につけてもらうのに適しています。
一方で、受講者の参加態度が受動的になってしまう可能性は否定できません。定期的に質問を投げかけるなど、飽きさせない工夫が求められます。又、参加する新入社員によっては、集中力が続かないケースもあり各自の理解度にはばらつきが生じてしまうのが現実です。近年では、講義形式で実施していた研修内容を、Eラーニングに置き換える例も増えてきています。

講義形式で行える新入社員研修の内容としては、以下のようなものがあります。

ビジネスマナー研修
コンプライアンスに関する研修
ベーシックなパソコンスキル研修

2.ロールプレイング形式

ロールプレイングは、「役割(role)」と「演じる(play)」を組み合わせた言葉です。日本語では「ロープレ」とも呼ばれ、現場や実際に近い疑似場面を想定し、その中で自分の役割を演じることで、スキルを身に付けるという学習方法です。具体的には、お客様への接客や名刺交換や電話応対など、実際の場面を模擬的に再現して行います。座学で知識をインプットすることに加え、ロールプレイング形式を用いてアウトプットの機会を提供することで、新入社員はより一層、知識への理解を深めることができます。

ロールプレイング形式で行える新入社員研修は、ビジネスマナー研修が挙げられます。

3.ワークショップ形式

ワークショップ(workshop)の語源は「仕事場」や「作業場」ですが、現在は「参加者が主体的に参加する講習会や研究集会」という意味で使われています。ワークショップ形式とは、参加者それぞれが自分自身の考えを持ち、お互いに協力しながらディスカッションなどを行うタイプの研修方式で、全員での意思決定を目指すディスカッションや、ビジネスゲームを行うことが一般的です。聴講するだけの講義形式とは異なり、参加者の能動性を促進することが重要となります。

ワークショップ形式で研修を実施することで、新入社員研修に参加する社員間で横のつながりを生み出すことができます。幅広い研修内容に適用できる手法であるとともに、参加者間のコミュニケーションを促進できるのが特徴です。ただ、有意義なワークショップにするためには、講師などの運営側がしっかり準備する必要があり、効果を最大化するためには、フィードバックにも時間をかけて取り組まなければなりません。ワークショップにはさまざまなタイプの取り組みがあります。代表的なものをご紹介します。

①作業型
作業型のワークショップで有名なものに、「ペーパータワー」と呼ばれるビジネスゲームがあります。大まかな行い方としては、20~30枚の紙を使用してタワーを作成し、その高さを複数のチームで競います。ゲームで使う紙を「お金」、タワーの高さを「売り上げアップ」に見立てて、会社経営の疑似体験を経験する経営シミュレーションの要素やチームが協力して高いタワーを作ることからチームビルディングの要素があります。
新入社員研修における、アイスブレイクとして、社員同士の交流を深める際に適したワークショップといえます。

②プレゼンテーション型
プレゼンテーション型は、与えられたテーマや課題に対し、チーム毎で議論をして、最終的に他のチームの前で発表してもらいます。新入社員研修として実施する場合、全員で意見を出し合い、建設的な議論できるよう努める必要があります。

4.その他ユニークな研修

ここからは、一般的な研修とは少し違うユニークな社内研修のネタをご紹介します。

①ウォーキング研修
ウォーキング研修とは社員でウォーキングしながら行う研修のことです。身体を動かすことで会話も弾みやすくなりますし、新入社員同士がチームとなり一つの目標を達成することの喜びを得ることができます。

【実施例】
・社員でルートを決める
・「チェックポイントを通過する」「◯◯の写真を撮る」などのルールを決める
・「人事部の社員に遭遇するとポイントをGET」などのボーナスポイント制度を設ける

進行途中ボーナスポイントがもらえるといった予想外の出来事を盛り込むことで、楽しさが増します。歩く距離は研修時間との関係で設定することになりますが、ある程度の長距離がおすすめです。

②ボルダリング研修
ボルダリングは、壁をよじ登るスポーツです。壁には複数の突起がついており、事前にルートを考えてから登らないと最上部まで到達できない場合もあります。昨今、オリンピック種目候補になるなど、国際的に非常に注目されているスポーツであることから、ボルダリングを社員研修に取り入れる企業もあります。新入社員研修にボルダリング研修用いる目的は、安全のためにルールを守ることの大切さや、仲間と励まし合うコミュニケーション能力、達成感などを学ぶことです。また、ボルダリングはコース戦略を考える事も必要なので、自分の頭で戦略を練ることの大切さも実感できます。

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