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ハラスメント研修の内容と定義などの基礎知識

ハラスメントを防止し、働きやすい職場環境をつくるために必要な基礎知識を身につける

ハラスメントとは

ハラスメントは「いやがらせ」「いじめ」を指す言葉で、身体的・精神的な攻撃などによって受け手に不利益・ダメージを与えたり、不愉快にさせることを意味します。
ハラスメントの行為者が、意図的に行ったものではなくても、受け手に対する発言や行動等を本人が不快に感じる、もしくは発言や行動が原因で受け手の尊厳が傷ついた場合はハラスメントに該当します。

 

ハラスメントが起こる原因

ハラスメントが起こる原因は、主に二つあります。一つ目は個人に原因がある場合です。ハラスメントを起こす本人がハラスメントに対して正しい知識を持っておらず、無意識にハラスメント行為者になる場合があります。また、部下とのコミュニケーション不足から誤解や不満が生じ、通常通り接したつもりでも、ハラスメントと誤解されることもあります。二つ目は、組織に原因がある場合です。職場の雰囲気が悪いとハラスメントが起こりやすくなります。例えばミスが許されないようなストレスがかかる職場や職場の責任者の権限が強すぎる職場では、ハラスメントが発生しやすくなります。

 

研修の狙い

  • ハラスメントの基礎知識を学ぶ
  • 職場におけるハラスメントを認識し、ハラスメント防止への意識を高める
  • ハラスメントからメンタル不調へつながるリスクを認識し、予防を図る

プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.職場におけるハラスメントとは

(1)パワーハラスメント
(2)セクシュアルハラスメント
(3)モラルハラスメント

2.ハラスメントに関する基本知識

(1)個人への影響を考える
(2)組織への影響を考える
(3)なぜ、ハラスメントが起きるのか
(4)ハラスメントの相談を受けたとき
(5)二次被害を防ぐために

3.パワーハラスメント行為への対応

(1)パワーハラスメント自己チェック 【ワーク】
(2)指導と叱責
(3)部下の状況に対応した指導法

4.セクシュアルハラスメント行為への対応

(1)セクシュアルハラスメント自己チェック【ワーク】
(2)セクシュアルハラスメントはなぜ起きてしまうのか

5.ハラスメント行為が影響するメンタルヘルス不全

(1)ハラスメント行為が原因のメンタルヘルス不全
(2)メンタルヘルス不全を予防するラインケア

6.事例から学ぶハラスメント対応

7.ハラスメント職場から働きやすい職場へ

(1)働きやすい職場環境づくり
(2)日ごろの良好なコミュニケーションが大切

8.まとめ

【ハラスメント研修関連セミナー】
パワハラ・セクハラをめぐる場面別の実務対応
管理職のためのハラスメント対応

 

【ハラスメント防止関連セミナー】
管理職に必要な職場のメンタルヘルス・ハラスメント対応


ハラスメント研修のテーマ(ハラスメント関連法)

ハラスメントは大きく、「法令に定義されたもの」と「(法令上の定義はないが)社会通念上ハラスメントと認識されているもの」に分けることができます。ハラスメント研修に関しては、以下のハラスメント関連法(企業にハラスメント防止・事後対応のための雇用管理上の必要な措置を義務付ける各種法律)が規制するハラスメントを中心に研修を行うことが重要です。

 

❶労働施策総合推進法    

 パワーハラスメント(パワハラ)  

 

❷男女雇用機会均等法

 セクシュアルハラスメント(セクハラ)    

 妊娠・出産等ハラスメント    

 マタニティハラスメント(マタハラ)  

 

❸育児介護休業法

 育児休業・介護休業等ハラスメント    

 パタニティハラスメント(パタハラ)    

 ケアハラスメント(ケアハラ)

 

ハラスメントの定義

それでは、ハラスメント関連法が規制するハラスメントの定義を見ていきましょう。

❶パワーハラスメント(パワハラ)
職場の「パワーハラスメント(パワハラ)」とは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。


❷セクシュアルハラスメント(セクハラ)
「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」とは、職場おいて行われる労働者の意に反する性的な言動により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。

❸マタニティハラスメント(マタハラ)/パタニティハラスメント(パタハラ)
「マタニティハラスメント(マタハラ)」とは、妊娠・出産・育児に関する言動により、女性労働者の就業環境を害することを意味します。

「パタニティハラスメント(パタハラ)」とは、育児に関する言動により、男性労働者の就業環境を害することを意味します。


❹ケアハラスメント(ケアハラ)
「ケアハラスメント(ケアハラ)」とは、介護休業の利用に関する言動により、労働者の就業環境を害することを意味します。

 

ハラスメント研修が重要な理由

ハラスメントは放置すると、被害者からの告発や訴訟により、刑法上の罪に問われることや民事上の不法行為と認定され、賠償金の支払いが発生する可能性があります。ハラスメント研修は、ハラスメント防止や万一発生した場合の対応等に役立ちます。


❶刑法上の犯罪
刑法上の犯罪に該当する行為をした者は、逮捕・起訴されたり、刑事罰を受けたりする可能性があります。ハラスメントの中でも、きわめて悪質性が高い行為といえるでしょう。

〇暴行罪(刑法208条)
〇傷害罪(刑法204条)
〇名誉毀損罪(刑法230条)
〇侮辱罪(刑法231条)
〇強制わいせつ罪(刑法176条)


❷民法上の不法行為(権利侵害)
ハラスメントによって被害者の権利を侵害し、損害を与えた場合には不法行為に該当する可能性があります。


❸行政法上のハラスメント該当行為
ハラスメントの中でも、パワハラ・セクハラ・マタハラ/パタハラ・ケアハラについては、事業主(企業)にハラスメントの防止・対応のために必要な措置を講ずるよう義務付けています。


従って、事業主(企業)がハラスメントの防止・対応に関する措置を講じる義務を怠った場合、厚生労働大臣による行政処分の対象になり得ます。

 

事業主がハラスメント防止のために講ずべき措置

事業主は職場におけるハラスメントを防止するために以下の措置を講じる必要があります。

 〇ハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発
 〇行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発
 〇相談窓口の設置
 〇相談に対する適切な対応
 〇事実関係の迅速かつ正確な確認
 〇被害者に対する適正な配慮の措置の実施
 〇行為者に対する適正な措置の実施
 〇再発防止措置の実施
 〇業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者等の実情に応じた必要な   措置


(妊娠・出産等に関するハラスメントのみ)
 〇当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知
 〇相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発

ハラスメント研修は、ハラスメント防止のための「周知・啓発」や万一発生した場合の対応等に役立ち、すべての企業に必要な取り組みであるといえます。

(令和5年10月現在 厚生労働省 ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」参考)

 

ハラスメント研修を実施するメリット

ハラスメント研修を実施するメリットには以下のものがあります。

❶ハラスメントの発生を未然に防ぐことに繋がる
ハラスメントが発生するケースでは、本人がハラスメントに対して正しい知識を持っておらず、無意識にハラスメントの行為者になるケースが多く見られます。

又、ハラスメントに対する認識が十分に備わっていないと、部下を指導する際に「この言い方はハラスメントとして受け取られるのではないか」と感じてしまい、効果的な指導ができないというケースも出てきます。

社員に対してハラスメント研修を行い、正しい知識を共有していくことでリスクを未然に防ぐことが可能となります。


❷自身の言動を振り返る機会となる
部下とのコミュニケーション不足から誤解や不満が生じ、何気なく接したつもりでも、ハラスメントと誤解されることもあります。

ハラスメント研修は、誰しもがハラスメントを起こす可能性があるという認識を持った上で、自身の言動や行動を振り返る機会となります。

ハラスメントの行為者が、「そんなつもりで言ったのではないのに」と思っていても、ハラスメントと受け取られてしまう事例が増えつつありますので、自身の日頃の言動を客観的に振り返ることはハラスメントを防止するために有効です。


❸コミュニケーションが活発化し、職場環境が改善される
ハラスメントに対する過剰反応によって、必要な指導や助言ができなくなってしまう方もいます。そのような状態では、人材育成という職務や目的を全うすることができず、個人にとっても組織にとっても不利益となります。

又、職場の風通しが悪く、部下が意見を出しにくい状態では、ハラスメントが起こりやすくなります。

ハラスメントに対する正しい認識を持つことで、社内における上司と部下の関係が改善され、コミュニケーションが活発に行われるようになり、職場環境が改善されることが期待できます。

 

ハラスメント研修を効果的に行うポイント

ハラスメントが発生する原因には、ハラスメントの行為者の問題と職場環境の問題という大きな2点があり、ハラスメント研修を効果的に行うためにはこの点を考慮して、運営する必要があります。

❶ハラスメントの本質を理解してもらう
ハラスメントの特徴は、同じ言葉でも話し手の違いによって、「受けた人の感じ方」が異なり、ハラスメントになることがある点です。

この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当であるとされています。

従って、「受け手の感じ方次第」と過度に意識する必要もありませんが、受け手が不快に感じ、中止を求めているにもかかわらず、繰り返し同様の行為が繰り返されればハラスメントとなる可能性は高まることを理解する必要があります。


❷ハラスメントの事例・判例について学ぶ
ハラスメントに関して被害者からの告発や訴訟問題が発生した場合、行為者だけでなく、企業も、賠償金を含め制裁を受ける可能性があります。

過去の事例・判例を具体的に学ぶことで、ハラスメントが発生した場合の行為者や、企業への影響が大きいことが認識でき、ハラスメントの発生予防に大きな効果が期待できます。


❸研修を繰り返し行い、アンケートで進捗を管理する
ハラスメント研修は、1度限りの実施では、行動や意識を定着させることが出来ません。又、実施後の改善が目的であることから、アンケートの結果をもとに研修のカリキュラムを調整し従業員の理解を深める必要があります。

アンケートによって、職場における問題点を洗い出し、職場環境の改善を行い、「ハラスメントを許さない」風土を組織内で醸成する事が重要です。

 

受講者の声

・ハラスメントに該当する内容を理解でき、部下への対処方法が勉強になった
・自分の行動を客観的に見つめ直す機会になった
・法改正の背景やポイント、今後の社内での方向性が見えたのが非常によかった
・パワハラ・セクハラが起こる原因から対処方法まで教えていただきよかったです

 

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