チームビルディング研修の内容とゲーム事例
目次
ビジネスセミナー
チームビルディングの基礎を理解し、組織力向上のポイントを学ぶ
チームビルディング研修とは
チームビルディング研修は、チームをメンバーが同じ目標に向かって協力し合える組織にしていく手法を身に付ける研修です。チームの結束力を強めたり、コミュニケーションを活性化することができるので、新入社員研修からマネジメント研修まで幅広い対象で、多くの企業で取り入れられるようになっています。
研修の狙い
- 集団とチームの違いを理解し、自身のチームの見直しを図る
- チーム意識を持ち、チーム内のコミュニケーションの活性化につなげる
- チームビルディングを体感し、強いチーム作りのポイントを理解する
プログラム
※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。
1.チームとは
(1)集団とチームの違いを理解する
(2)勝ち組チームと負け組チームの違い【ディスカッション】
(3)共通の枠組みを持つ
2.チームを構築するために必要な人間関係を構築する
(1)グループ内自己紹介【ワーク】
(2)自己開示の必要性
3.チームビルディング【体験学習】
(1)体験学習の実施
(2)体験学習の振り返り
①社内コミュニケーションの活性化
②チームへの貢献
③リーダーシップ発揮のためには など
(3)チームを活性化させる条件
4.チームビルディングとリーダーシップ
(1)チームワーク形成及びリーダーシップに必要な知識
①リーダーシップとは何か
②マネジメントとリーダーシップは何が違うのか
③人にどのような影響を与えるか
④支援型リーダーシップでチームワーク形成を促進する
⑤チームが機能するために必要なこと
5.今後のチームビルディングを検討【グループワーク】
(1)自身のチームにおける今後の行動計画の策定
(2)発表、相互フィードバック
6.まとめ
チームビルディング研修の目的
仕事を行っていくうえで、一人でできることは限られています。そこで私たちはより効果的にパフォーマンスを出すためにチームで仕事をしていきます。
しかし、チームを作れば、自動的に成果が上がるかと言えば、当然そういうわけではありません。チームは単なる配置による集団とは異なり、メンバーの相互作用によって、各自の持てる力を十分に発揮し、一つのまとまりとすることが重要です。
チームビルディン研修の目的は、チームを強い組織へと成長していくための手法を学び、よりパフォーマンスを上げることです。
チームビルディングを阻害する要因
チームビルディングの「チーム」とは共通の目標やゴールに向かい全員が当事者意識を持って進んでいく組織です。では、チームビルディングを阻害する要因にはどのようなものがあるでしょうか。
(1)メンバーの多様性を受け入れられない。
会議の際に、「どうして、あの人の発想や意見は、私と大きく違うのだろう」と思うことはあるものです。ましてや、一時的に召集されたプロジェクトチームの場合は、個人的なメンタルモデル(頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」)の違い以外にも、元の組織で培われた価値観等の違いなどから、大きな違和感や疎外感を感じることがあります。
(2)メンバー間でビジョンや目的が共通の認識として定着していない。
新しいプロジェクトのために、召集されたチームの場合、メンバーにはプロジェクトそのものに意義を見出せていない場合があります。例えば、新商品の販売推進に営業部から参加することになった場合、現在の商品を拡販する方が優先事項だという意見を持っているかもしれません。
(3)仕事のやり方や役割がはっきりしていないのでお互いに不満を抱えてしまう。
メンバーはそれぞれの経験から、独自の仕事のやり方やペースを持っています。また、得意・不得意もあり、仕事に対する自由裁量が制限されると感じた場合には、大きな反発を招くことがあります。
チームビルディングを効果的に進めるためには、「これらの要因をクリアしていけばよい」ということになります。
それでは、チームビルディングにおいて具体的にどのような対策が有効なのか見ていきましょう。
チームビルディング研修のテーマ
チームビルディング研修では、チームのメンバーの行動変容を促すために、次の4項目を取り入れて行います。
(1)心理的安全性を高める
「心理的安全性」は、組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した概念で「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。心理的安全性が高い状況であれば、質問やアイデアを提案しても受け止めてもらえると信じることができ、思いついたアイデアや考えを率直に発言することができます。具体的には、チームのメンバー全員から意見やアイデアを求めることや、個人的な仕事の進め方の好みをチームメンバーに伝え、チームメンバーにも自分自身の好みをチーム内に共有するよう促すことで、チーム内の心理的安全性を高めていきます。チーム内のコミュニケーションを高めるとともに、自己開示と相互理解を進めることが必要となります。
(2)相互信頼を高める
メンバーの役割と責任を明確にし、各自がそのことにコミットメントし、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げていくことで、相互信頼を高めていきます。言い換えると、メンバーは仕事に対する真摯さを持つとともに、メンバーが真摯さを持つことを信じあえるチームでなければならないということです。仕事に対する真摯さで大切なのは、その仕事によって期待されている使命、成果物をなんとしてでも仕上げるという粘り強さと強い意思です。
(3)ビジョンを共有する
ビジョンとは「意志ある将来の見通し」です。魅力的なビジョンをチーム内で共有することで全員がこれに集中し、同じ方向に向かって進むことができるようになります。チームのビジョンは、組織全体のビジョンや目標達成に貢献するような明確なものをメンバーが共同で策定することが望ましい姿です。
(4)目標と手順の共有
効果的なチームをつくるには、ビジョンを具体的な目標に落とし込み、目標を満たすためのプロセス、そして行うべきメンバーの行動について、個々のメンバーが理解していることが重要となります。目標は具体的で取り組みがいがあり、なおかつ達成可能な内容でなければなりません。又、プロジェクトの進捗を確認するルールや、問題点の対応等による方針の変更等を行う必要が出てきた場合の意思決定方法について、ルール化し共有することで、有効な意思決定プロセスがあるチームとなることが出来ます。
チームビルディング研修で行うゲーム(体験学習)
チームビルディング研修では、チームの一体感を醸成することや、役割分担の必要性を理解するために、疑似体験として、工作や料理などの課題を与え、計画から完成までを行ってもらうことがあります。メンバー同士が協力することで自然にコミュニケーションが生まれ、メンバーの意外な一面を知るきっかけとなったり、協調性の重要さに気付いてもらうことが出来ます。又、チームの協力が必要で、ビジネスの構造をモデル化し、疑似体験できるようにしたゲームを取り入れる企業も多く見られます。
それでは代表的なゲームをご紹介します。
(1)ペーパータワー
チームビルディング研修では有名なゲームです。制限時間内に、20~30枚の紙を使用してタワーを作成し、その高さを複数のチームで競います。どのようなイメージでタワーを作るかのビジョンを共有し、チーム全体で協力する必要があることから、チームビルディング研修に適しているといえます。ゲームを進めていくと、「効率性を求める」「安定性求める」など、グループごとに特色が表れてきます。どのような方向性で進めたのか、なぜその戦略を選んだのかなど、最後にフィードバックや交流する時間を設けることで、コミュニケーション力の向上やPDCAサイクルを回す体験となります。
又、ペーパータワーでは、ゲームで使う紙を「お金」、タワーの高さを「売り上げアップ」に見立てて、会社経営の疑似体験も経験できます。
①用意するもの(1チーム分)
・A4用紙20~30枚
・ハサミ:1つ
・メジャー:1つ(記録測定のため)
・ストップウォッチ
・ペーパータワーでは紙とはさみのみを使うので、テープなどは必要ありません。
②ルール
・1チーム(4~5人)
・制限時間は相談も含めて10分間
・A4用紙は各チーム同じ枚数を使用する。
・紙は折り曲げたり、切ったりすることが可能。
・作戦タイムで使用できる紙は1枚。
・自立可能で出来るだけ高いタワーを立てること
(2)ボール回し
ボールを使ったゲームです。チームビルディング研修のアイスブレイクとして活用できる以外にも、回数を重ねるごとに制限時間を短くすることで、参加者は円の順番を渡しやすいように入れ替えたり、輪の大きさを小さくするなどの工夫を行うようになり、「イノベーションの起こし方」を体験してもらうワークとしても役立ちます。このゲームは、少し時間が掛かりますが、チームとしての達成感やイノベーションの体験ワークとしてチームビルディング研修には適しています。
①用意するもの
・できるだけ柔らかい、手のひらサイズのボール
・ストップウォッチ
②ルール
(1回目)
・参加者に円になって立ってもらう。
・ファシリテーターはボールを誰かに手渡します。
・ボールを受け取った人は、隣の人以外で、まだボールに触っていない人に対してボールを投げて渡します。
・全員がボールに触れるまで繰返します。最後の人は、一番最初の人にボールを投げて返します。
・ファシリテーターは、一番最初の人がボールを投げてから、受け取るまでの時間を計測します。
(2回目)
・ファシリテーターは「1回目の半分の時間でやってみましょう」と促します。
(3回目)
・ファシリテーターは、更に「2回目の半分の時間でやってみましょう」と促します。