1日目(第1講) 中期経営計画の立て方・使い方
1.中期3年経営計画の役割とは
1)経営環境の構造変化と自社改革課題
2)年度経営計画では延長線を断ち切れない
3)3ヶ年で改革・大改善を成功させる
4)中期経営計画の策定プロジェクトの進め方
5)中期経営計画の成功例と失敗例に学ぶ
2.中期経営計画での自社改革テーマ
1)自社ビジネスモデルの再構築・新創業
2)事業・市場・顧客・商品・経営システムの戦略的シフト
3)競争優位・差別化・独自性の戦略的構築
4)戦略的コストダウンと価格戦略
5)業種別:経営改革課題チェックリスト
(製造業、卸売業、小売業、外食産業、物流業、建設業ほか)
3.外部環境を分析し、チャンスを掴む(個人演習)
1)経営環境変化と長中期トレンドの予測
2)成功要因の変化と新成功要因の構築
3)存続阻害要因への戦略的対応
4)自社のチャンスとピンチの把握
5)戦略的経営課題のリストアップ
4.自社資源を総点検し、強化・拡大する(個人演習)
1)自社の強み・弱みの戦略的分析
2)経営資源の拡大・拡大:自力、提携、M&A、ハンティング
3)顧客満足分析と重点ターゲット客分析
4)ライバル分析と競争力強化
5)部門別:経営改革課題チェックリスト
(営業、製造、購買、開発、物流、経理、総務)
5.中期経営計画の策定手順:10のステップ
ステップ 1: 経営理念・ミッション・事業領域の確認
ステップ 2: 経営環境の分析と将来予測(チャンスとピンチ)
ステップ 3: 経営資源の総点検(自社の強みと弱み)
ステップ 4: 長期ビジョンの策定(10年後のわが社)
ステップ 5: 中期ビジョンの策定(3年後のわが社)
ステップ 6: 中期経営方針の提示(トップの戦略方針)
ステップ 7: 中期経営課題の重点化(改革課題と大改善課題)
ステップ 8: 部門別中期課題設定(中期部門責任の明確化)
ステップ 9: 3ヶ年部門計画への展開(実行プラン化)
ステップ10: 中期経営計画書にまとめる(全社員へ徹底)
6.中期経営計画の重要課題
1)新規事業の探索と事業ポートフォリオ再構築
2)中期経営計画の推進体制作り
3)計画前提条件の変化と中期経営計画の見直し
4)投資案件の採算判断:投資利回り、回収期間
5)中期経営計画の利益・資金シミュレーション
7.まとめ : 中期経営計画による自社改革のポイント
講師 粕井 隆 氏
東邦ビジネスコンサルタント株式会社
代表取締役
経営コンサルタント
2日目(第2講) 部門業績・予算管理と年度計画の立て方
1.部門業績・予算管理の徹底で業績アップ、自社改革を実現せよ!
1)自社にやってくる経営難題と自社改革課題
2)年度計画の役割を正しく認識する
3)部門の業績課題と役割責任の明確化
4)構造変革時代に求められる業績管理・業績評価システム
5)業績責任徹底の組織設計と損益管理体制の構築
6)年度計画・年度予算の体系と策定手順
7)年度計画・年度予算の失敗事例に学ぶ
2.年度経営方針・全社目標の提示(個人演習)
1)年度経営方針・全社目標の策定手順
2)中期ビジョン達成に向けての年度改革課題
3)当期業績の反省課題:外部要因分析、内部要因分析
4)次期経営環境への対応課題
5)経営基礎力の向上課題
6)必要利益と必要売上高の設定
7)年度経営方針・全社目標の重点化・決定
3.部門別年度計画の策定
1)計画の達成度を高める策定手順
― 部門の自主性とトップ、本社部門、経営企画の支援・指導方法
2)部門別年度課題のリストアップ
― 中期部門課題、年度方針課題、短期業績課題、
環境対応課題、基盤強化課題
3)部門別年度課題の重点化と調整・指導・確定
― トップ方針との乖離が大きい場合には
4)部門別改革課題の検討チェックリスト
― 営業、製造、開発、購買、物流、総務・人事、経理
5)月次計画での実行プラン化 ― 月次実行計画シート
6)下位組織への展開と共同目標化
4.部門予算の作成と予算管理
1)部門予算の役割と策定ルール
2)なぜ予算管理がうまくいかないのか
3)部門予算作成の実践手法
― ゼロベース予算、変動予算、チャレンジ予算
4)営業部門予算の立て方と実務フォーマット
5)製造部門予算の立て方と実務フォーマット
5.部門業績管理指標の設定と活用
1)管理・評価する業績項目は自社戦略で設定せよ
2)数値業績と定性業績の考え方
3)自己責任数値を重視せよ
― 財務数値、財務プロセス数値、非財務数値
4)各種財務指標の特性と活用法
5)先行業績指標での先行管理
6.全社年度経営計画書の作成
1)年度経営計画書の様式例
― 経営理念、年度経営方針、全社数値計画、部門別計画
2)全社共有化のための手法
― 全社発表会の実施、個人別目標管理、業績情報開示
3)利益と資金のシミュレーション:複数プランを検討
7.業績管理・業績評価による達成度強化(個人演習)
1)プロセスマネジメントが業績達成の決め手
2)業績検討会議の運営方法と重点課題
3)部門業績報告書の設計 ― フォーマット事例(営業、製造)
4)期末の部門業績評価と活用法:組織業績評価表
8.まとめ : 年度計画、年度予算を必達する10ポイント
講師 粕井 隆 氏
東邦ビジネスコンサルタント株式会社
代表取締役
経営コンサルタント
3日目(第3講) 新規事業立案と事業計画書の作成
1.事業計画ステップⅠ:新規事業の成功のコツ
~「失敗」を学べば、必ず「成功」する
1)世間のブームに流された
2)市場・ニーズがなかった
3)商品・サービスに独自性がなかった
4)顧客の評価を得られなかった
5)ライバルに競争で負けた
6)品質が確保できなかった
7)自社のコストが高過ぎた
8)経営資源が確保できなかった
9)社内の協力体制がなかった
10)トップが意思決定を誤った
2.事業計画ステップⅡ:新規事業開発組織を整備する
~ 新規事業では「ヒト」が最重要課題
1)新規事業開発チーム:10の役割
2)事業開発チームの作り方
3)開発リーダー、開発スタッフの選び方
4)新規事業におけるトップの役割
3.事業計画ステップⅢ:新規事業候補の探索と評価(個人演習)
~ どうやって事業の種を探すのか
1)新規事業開発方針を立てる
2)活躍できる自社経営資源のリストアップ
3)新規事業候補探索の手法:主要12手法と探索シート
4)新規事業候補の評価と選別
5)事業進出の最終決定システム
4.事業計画ステップⅣ:ビジネスモデルの検討
~ 新規事業のビジネスパワーは何か
1)成長分野(市場・顧客・商品)を狙う
2)画期的な商品・サービスを開発する
3)今までにない事業システムを構築する
4)業界、ライバルの従来ルール・常識を打ち破る
5)圧倒的な低価格を実現する
6)自社の経営資源を有効活用する
5.事業計画ステップⅤ:事業の採算性の分析と撤退戦略
~本当に儲かるのか (利益と資金)
1)新規事業の採算計算:利益と資金
2)事業ポートフォリオの検討
3)撤退戦略・撤退基準の事前検討
6.事業計画ステップⅥ:事業計画書の作成ポイント
~ モデルフォーマットで成功度を高める
1)経営理念:事業ミッション
・新規事業領域・自社特性
2)ビジョン:長中期的な経営の方向性を決める
3)市場分析:ターゲット設定と自社ポジション
4)競合分析:ライバルとの競争優位力
5)販売計画:営業方針・価格・ルート・販促
6)購買計画:調達・品質と外部協力体制
7)生産計画:生産ノウハウとローコストシステム
8)設備計画:投資額の適正コントロール
9)人員計画:必要人材と採用・育成・処遇
10)開発計画:テーマの重点化と成功条件
11)損益計画:事業の採算性をチェック
12)資金計画:資金の調達と返済のバランス
13)事業課題:成功するための事業課題
7.ケースで学ぶ新規事業の選択
~ 複数プランからの意思決定(グループ演習)
プラン<1>:海外展開
プラン<2>:商品開発
プラン<3>:新ルート開拓
プラン<4>:異業種進出
8.まとめ : 新規事業を成功に導く10のルール
講師 粕井 隆 氏
東邦ビジネスコンサルタント株式会社
代表取締役
経営コンサルタント
4日目(第4講) 子会社・関連会社の経営管理と組織改革
1. 求められるグループ経営体制の強化と再構築
1)構造変革時代の経営再編・組織再構築
2)会社法・内部統制とグループ経営
→ 親会社責任の明確化、多重代表訴訟、組織再編・M&A関連
3)最近の事例に学ぶグループ経営戦略
4)期待通りの成果が上がらないのはなぜか
5)「グループ経営確認シート」による自社診断と自社改革課題の発見
2. 子会社・関連会社管理の基本戦略を策定する
1)迅速な意思決定とガバナンスをどう両立するか
→ 親会社権限と統制のバランス、機関設計の工夫
2)グループ経営の形態によって異なる基本戦略
→ 事業親会社方式か持株本社方式か
3)グループ本社が果たすべき基本的役割とは
→ 本社部門、本社スタッフのあり方
4)フレキシブル型グループ運営体制を構築する
→ 集権型か分権型か? 判断のポイント
5)グループ経営理念・ビジョン・基本方針・行動指針の策定
→グループの一体化をめざす
3. グループ各社の経営管理の構築方法
1)グループ本社の機能と子会社権限の決め方
2)子会社の経営計画(中計・年計)の策定と承認
3)経営管理ルールの作成と運用:グループ管理モデル規程
4)グループ全体の内部統制とリスク管理の徹底
5)子会社の業績悪化と支援策
→ 原因分析、抜本的対策と再編(縮小、統合、分割、売却、清算)
4. グループ各社の財務と損益・資金管理の進め方
1)財務管理の重点ポイント
→ 予算統制と財務分析(B/S、P/L、キャッシュフロー)
2)グループ間取引の価格決定ルール:税務上の留意点
3)グループ共通費・総本社費の負担ルール
4)本社経理部の役割・機能とグループ資金管理
5)グループ法人税制の活用
→ 100%親子関係のメリット・デメリットと活用法
5. グループ各社の業績管理・評価の仕組みとルール作り
1)業績の基本構造の検討
2)グループ業績管理の仕組み
3)子会社タイプとグループ内業績責任の考え方
4)グループ会社の業績評価と業績管理指標:子会社業績評価シート
5)実効度を高める業績検討会議のすすめ方
6. グループ各社の役員人事・報酬制度を設計する
1)親会社の取締役会構成をグループ戦略で再構築する
→ 戦略決定者型、事業責任者型、機能責任者型
2)取締役人事の基本方針決定
→ 取締役会構成:親会社出向者、親会社転籍者、プロパー登用者、
外部ハンティング人材
3)監査役人事の基本方針決定
4)役員の業績評価と業績連動型報酬制度の構築
→ 子会社ミッション・経営計画と連動した評価項目と業績責任度合
5)子会社で執行役員制度を活用する
→ プロパー経営幹部の活性化、業績責任の強化、フレキシブルな報酬制度の導入
7. まとめ:グループ経営を成功させる10のポイント
講師 粕井 隆 氏
東邦ビジネスコンサルタント株式会社
代表取締役
経営コンサルタント