講師コラム

製造業の新入・若手社員に必要な7つの基礎力とは
第2回(全3回)

2018/01/22

島ノ内英久

株式会社ウィレンス 代表取締役

今回は技術面を中心にお伝えします。

(3)技術力その1 〜目の前の作業に集中する力〜
社会人としてのコミュニケーションなどももちろん大切ですが、工場で働く人にとって何より大切なのは技術力です。工場での作業は比較的繰り返し性が高いため、様々なことに興味がある若い人は飽きてしまいがちです。しかし入社数年経っても中途半端な技能しか持たない人は現場では使いにくいため、まずは配属された工程で技術をしっかり覚えることが第一歩です。
【ミニ事例】
顧問先C社(アルミダイカスト製造業、従業員数約100名)の工場で働くM君(高卒1年目、19才)は主に最終仕上げを担当しています。本人は同社のメイン工程である鋳造を希望していたのですが、出荷前の最終工程である仕上げを2〜3年かけてまずはしっかりと覚えることで、将来鋳造を担当する際にその経験を活かしたいと考え、現在の最終仕上げに集中しています。


(4)技術力その2 〜原理や仕組みを知る力〜
与えられた作業を何も考えずに黙々とこなすだけの人は成長しません。材料力学や弾性力学、流体力学、熱力学、化学など全てを理解する必要はありませんが、せめて自分が担当している作業に関係することの原理や仕組みを先輩に教えてもらい、また自分自身で考えることで品質不良発生時などに根本解決策が見つかりやすくなります。
【ミニ事例】
顧問先D社(板金加工業、従業員数約20名)では、金属加工に関する専門的な社内勉強会を毎月1回2時間開催し、社長やベテラン社員が先生役となり、若手社員に教えています。ほとんどの若手社員にとって短期間で理論を理解することは難しいですが、理論も理解した技能社員を育成したいという社長の考えを実践しています。


(5)技術力その3 〜前後工程に興味を持つ力〜
多くの工場が必要最小限の人数で稼働しており、急な病欠などの不測の事態に柔軟に対応できるよう複数の工程を担当できる社員ができるだけ多くいるほうが有難いため、最初に担当した工程に慣れた若手社員は前後の工程を経験させることが多々あります。新人・若手社員はこのような機会を待つのではなく、自ら興味を持ち、現在担当している工程との違いなどを休憩時間などに先輩社員に少しずつで構わないので教えてもらうようにしましょう。このような前向きな取り組みをすることで、実際に担当することになった時に円滑に作業に入ることができ、また現在の工程における生産性向上や原価削減のアイディアが生まれたりします。
【ミニ事例】
顧問先E社(医療用電子機器組立業、従業員数約180名)の工場でモジュール組立を担当するF君(高卒2年目、20才)はお昼ご飯を早めに食べた後、自分の担当の前後工程を毎週少なくとも3回、10分間見に行くようにしています。素晴らしい心掛けです。


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