管理会計研修
企業の経営を考える上で必要な管理会計の知識を学ぶ
管理会計とは
管理会計とは、企業が社内向けに行う会計処理です。管理会計の計数情報をもとに、企業は経営判断や意思決定を行います。
企業の財政状態や経営成績などについて報告する「財務会計」に対し、「管理会計」は会計数値を企業内部の業績管理や意思決定に役立てるためのものです。管理会計をツールとして、企業行動を客観的に数値で評価することができるほか、改善点や目標を明確にする点でも役立ちます。
管理会計は義務ではりませんが、企業にとって業績の把握や業績改善のために、非常に重要な取り組みといえるでしょう。
研修の狙い
- 管理会計の基本を学ぶ
- 損益分岐点分析を通じて、変動費・固定費の考え方や事業採算の捉え方を学ぶ
- 経営を考えるための投資判断に関する手法を学ぶ
プログラム
※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。
1.管理会計の基本を知る
(1)管理会計と財務会計の違い
2.損益分岐点分析(BEP分析)
(1)採算管理と損益分岐点分析
(2)損益計算書では採算はつかめない
(3)「変動費」と「固定費」に分ける
(4)損益分岐点図表を読みこなす
(5)採算管理を利益計画に活用する
(6)儲かるために考えるポイント
➀固定費の引き下げ
➁販売単価の引き上げ
➂変動費率の引き下げ
(6)損益分岐点分析演習【ワーク】
3.限界利益という考え方
(1)限界利益の基本
➀限界利益がプラスならOK?
➁どの製品群を積極的に販売するべきか
➂どこまで値引きは可能か
(2)事業採算演習【ワーク】
4.投資判断の活用法
(1)正味現在価値法(NPV法)
➀投資から生み出される将来キャッシュフロー
➁割引率を使って現在価値に割り引く
➂適切な投資判断を行う
➃正味現在価値法演習【ワーク】
(2)内部収益率法(IRR)
(3)期間回収法
5.総合演習【ワーク】
管理会計と財務会計の違い
管理会計と財務会計を混同される方がいますが、管理会計と財務会計は別のものになります。管理会計と財務会計の主な違いは、財務会計とは、株主・金融機関・税務署など、対外部宛に提示する必要のある会計処理です。決算報告のために作成するものは、財務会計となります。
一般的によく聞く財務三表(PL/損益計算書・BS/貸借対照表・CF/キャッシュフロー計算書)は、財務会計になります。財務会計は義務付けられていますので、すべての会社で一律のルールに基づいて行われます。
一方、管理会計は一定のルールもなく独自であり、提出を求められるものではありません。
管理会計で知っておくべき事
(1) 限界利益という考え方
限界利益とは、売上から変動費を引いた利益のことです。通常売上から費用を引いたら利益となります。限界利益では、この費用を変動費と固定費に分けて考えます。限界利益では、商品・サービスを販売した売上に連動する形で得られる利益のことをいい、会社がどの程度儲かっているかが確認できる指標です。また、さらに限界利益を利用して損益分岐点を求めると、利益を生んでいくための売上高を把握することができます。
(2) 損益分岐点分析という考え方
損益分岐点とは、収益と費用が等しくなる点のことであり、利益がある黒字状態と、利益がない赤字状態の分岐の点を理解できるものです。
損益分岐点では、利益を増加していくためには、売上を増加させるまたは費用を減少させることがわかります。この損益分岐点分析では、利益を出すために必要な売上高と固定費および変動費の状況を把握でき、さらに状況の改善点も理解できます。
管理会計で投資判断をする
回収期間法、投下資本利益率法、正味現在価値法(NPV法)、内部収益率法(IRR法)の4つの評価方法があります。
(1) 回収期間法
回収期間法とは、投資額を回収するまでに要する期間を計算し、決めた期間よりも回収期間が短い案を採用する方法です。計算が簡便であるメリットがある反面、時間価値を考慮した投資判断が出来ないデメリットがあります。
(2) 投資資本利益率法
投資資本利益率法とは、投資額に対する年平均の利益率である投資資本利益率により、評価する方法です。比較的簡単に投資の収益性を評価できるメリットがある反面、時間価値を考慮した投資判断が出来ないデメリットがあります。
(3)NPV法(正味現在価値法)
NPV(正味現在価値)とは、各期間のキャッシュフローに対して時間価値を考慮した現在価値に置き換えて評価する方法です。時間価値を考慮して収益性を評価できるメリットがある反面、資本コストの割引率など若干計算が複雑になる点があります。
(4)IRR(内部収益率法)
IRR(内部収益率)とは、正味現在価値をゼロにする割引率が資本コストを上回っているかという視点で評価する方法です。時間価値を考慮して収益性を評価できるメリットがある反面、割引率(資本コスト)の算定など若干計算が複雑になる点があります。