マネジメント研修
管理職として必要なマネジメントの考え方と手法の基礎を学ぶ
マネジメントとは
マネジメントとは、企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を効果的かつ効率的に活用し、組織目標を達成していくための、管理や統制を意味します。管理職においては、目標・業績達成、部下育成に関するマネジメントのスキル・能力が求められます。
研修の狙い
- 管理職に求められる役割を理解する
- 目標達成のための業務マネジメントと部下育成の進め方を学ぶ
- 自部署の問題解決のスキルを身につける
プログラム
※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。
1.管理職の役割認識
(1)管理職とは何か
(2)管理職に求められる役割とは
(3)プレイングマネージャーの仕事と役割
2.マネジメントとは
(1)マネジメントとは何か
(2)マネジメントの役割と活動
(3)マネジメントとリーダーシップの違い【ワーク】
(4)自身のあるべき管理職像とその課題【ワーク】
3.業務のマネジメント
(1)目標による管理
(2)組織と組織目標を理解する
(3)共通の目標を浸透させる
(4)組織運営の原則
(5)目標達成のためのPDCAマネジメント【ワーク】
4.部下指導と部下育成【ワーク】
(1)部下の動機づけ法
(2)部下のやる気の源は
(3)部下の褒め方、叱り方
①何を褒めて、何を叱るか
②褒めるコツと心構え
③叱るコツと心構え
5.自部署の問題を解決する
(1)問題の定義
(2)問題解決のステップ
(3)自部署の問題解決を図る【個人ワーク・ディスカッション】
6.まとめ
マネジメント研修の目的と内容
1.マネジメントとは
「マネジメントの父」と言われるピーター・ドラッカー博士は、マネジメントとマネージャーを
マネジメント : 組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関
マネージャー : 組織の成果に責任を持つ者
と定義し、さらに、「マネジメント」の主要な役割として次の3つのポイントを挙げています。
【マネジメントの3つの役割】
(1)その組織に課された特有のミッションを達成する
(2)仕事を通じて働く人の自己実現を図る
(3)社会の問題の解決に貢献する
つまり、「マネジメント」とは、「仕事を通じて、課や部署のメンバーが自己実現を行えるようサポートすることで、組織に課せられたミッションの達成を通じて、社会の問題の解決に貢献する」ということになります。
2.代表的なマネージャー論
マネージャーの役割については、本当にたくさんの書籍が出版されており、様々な切り口から解説がされていますが、ドラッカー博士のマネージャー論のポイントを紹介します。
(1)ドラッカー博士のマネージャー論
ドラッカー博士は、著書『マネジメント』(1974年)の中で、マネージャーに求められることを、以下の5つに整理しています。
ⅰ)目標を設定する
ⅱ)組織する
ⅲ)動機づけとコミュニケーションを図る
ⅳ)評価測定する
ⅴ)人材を開発する
(2)マネージャーの役割―現状を踏まえた求められる役割
ドラッカー博士の主張は、50年近い時代の隔たりがあるにもかかわらず、今も示唆に富む内容です。
そこに、現在求められているコンプライアンスに関する役割を加え、代表的なマネージャーであるミドルマネージャー(部長職や課長職などの中間管理職)に求められる基本的な役割を整理すると次の4つになります。
①情報関係
情報関係については、以下の3点はマネージャーが率先して果たしていくべき役割です。
ⅰ)情報の収集と分析
ⅱ)咀嚼した情報のチームへの浸透
ⅲ)スポークスマンとしての役割
経営環境の変化のスピードが早い昨今において、絶えず社内外の情報を収集し、自部署を取り巻く状況や役割期待を分析することは極めて重要な役割です。
また、全社的な経営方針や目標を自分なりに理解して咀嚼し、自分の言葉として部下にしっかりと伝え、浸透させることで、チームのベクトルを一つにしていきます。
加えて、重要な情報やノウハウを経営トップや他部署に迅速かつ的確に伝達することで、全社的な変化のスピードへの対応力を強化することも、マネージャーに求められる大切な役割の一つです。
②対人関係
対人関係については、以下の3点はマネージャーが率先して果たしていくべき役割です。
ⅰ)職場環境の整備
ⅱ)部下教育とモチベーション管理
ⅲ)社内外との連携強化
職場環境の整備としては、心理的安全性を確保することが、チームの運営の円滑化に留まらず、生産性の向上やイノベーションの推進にも効果があり特に重要です。また、組織の継続性を考えた場合、部下一人ひとりの性格や長所・短所を踏まえた役割分担や目標設定、サポートとコーチングを意識した指導・育成による自律的人材の育成が必要です。当然ではありますが、人間関係上のトラブルが職場に与える影響は大きく、メンタルヘルス不全を招く要因にもなりますので、早期発見と早期解決を図ります。
さらに、メンバーがマネージャーに期待する大きな役割が、取引先をはじめとする社内外の関係者との連携強化や人脈づくりなどです。難しい折衝や交渉などに、部署を代表して当たる場合、事前に関係者との連携強化や人脈づくりを行っていきましょう。
③業務遂行関係
先に述べました、①情報関係、②対人関係がベースとして整って初めて、業務遂行関係について役割が円滑に果たせます。
まず行うべきは、全社方針を踏まえた、自部署の目指すべき方向性を明示することです。
明確で納得性の高いゴールがなければ、組織は一つにはなりません。つぎにメンバー各自の役割や目標の分担に基づき、PDCAサイクルを着実に回すことで、自らの部署の目標達成を目指し、その中で発生する課題解決を行っていきます。
当然ですが、これらがしっかりと実践できなければ、管理者として高い評価を受けることはないといっても過言ではありませんが、さらに、最近では新たな役割を期待されています。
それが、現場発のイノベーティブな提案です。イノベーションは、既存の技術や商品・サービスを掛け合わせることで、顧客すら気づいていない未解決のニーズ応えていくことですので、今後ますます管理職を含めた現場に求められる重要な役割となります。
④コンプライアンス関係
近年、非常に重要性が増している役割です。
法令違反は企業の存続そのものを揺るがす問題にも発展しかねないことから、日頃から業務に関わる法律の動向や実務上の留意点などについて学び、法制度の改正などが行なわれた際には、迅速に対応できるよう準備しなければなりません。特に、法令違反が常態化している中で業務を引き継いだ管理職は、毅然とした態度で過去の悪しき慣習と決別する必要があります。
また、勤務管理面については、総務部や人事部などが主体となって組織的に対応することは重要ですが、現場を管理するミドルマネージャーも広くその責任を負っていますので、部署内での目配りを怠りなく実施して下さい。
3.マネジメント研修とは
(1)マネジメント研修の目的
マネジメントの最も重要な目標は、組織としてのミッションの達成と部下育成です。しかし、ミッションの達成を優先すると部下を育成できず、部下育成に注力するとミッションが達成できないといったジレンマを抱えるマネージャーは多いようです。
マネジメント研修では、ミッションの達成と部下育成を両立する適切な支援の在り方や組織活性化を促すマネジメントスタイルを学ぶことを目的とします。
(2)マネジメント研修の対象者
①新任管理職
マネジメント研修を検討する際には、初めて管理職に就いた新任管理職層と、既に課長や部長などの管理職の経験を積んでいる既存管理職層に分けて設計すると良いでしょう。
新任管理職は任命されて間もない時期になりますので、管理職に期待される役割をしっかりと理解し、プレイヤーからマネージャーへと意識を転換することが大切です。
又、部下のモチベーションを高めながら育成していくためのコミュニケーション方法やコーチング手法、チームの一体化を進めるチームビルディングの方法を身につけることが主な研修の狙いとなります。
②既存管理職
マネジメントの実務経験がある既存管理職は、自身のマネジメントを振り返り、より広い視野に立った部門マネジメントの進化や自部署で獲得したノウハウを経営トップや他部署に迅速かつ的確に伝達することで、全社的な変革を推進できるマネジメント能力の向上を図ります。
(3)マネジメント研修の内容
ここまでマネジメント研修の目的と対象者について確認してきました。それでは実際のマネジメント研修では、どのような内容を取り入れるのがよいのかをご紹介します。
①部下の成長を促す部下育成能力
マネージャーは部下育成を積極的に行うことが求められています。自身の能力が高くても今後企業を発展させていくためには、部下を育てチームの成果を上げるとともに、管理職候補を育てていく必要があります。そのためにはコーチングスキルを習得し、部下育成を実践していくことが必要となります。相手に共感・承認し、適切な質問やフィードバックを通じて、部下の能力・やる気を引き出し、自発的な行動を促すことが重要です。
【スキル・知識 例】 コーチングスキル・コミュニケーションスキル・人事考課
【部下を促す部下育成能力研修の関連セミナー】
・初心者のためのコーチング入門
・コーチング実践講座
②チームビルディング力
マネージャーは、全社的な経営方針や目標を自分なりに理解して咀嚼し、自分の言葉として部下にしっかりと伝え、浸透させることで、チームのベクトルを一つにしていきます。マネージャーは、自部署の目標達成に向けて、社内外のステークホルダーに対して、積極的行動し、周囲を巻き込むことが期待されています。
【スキル・知識 例】 チームビルディング・ファシリテーション
【チームビルディング力養成の関連セミナー】
・チームビルディング 成果を上げ続けるチームの作り方
③直面している問題解決力
自部署の目標達成を図る過程で、様々な問題に直面することがあります。マネージャーは、顕在的な問題はもちろんのこと、潜在的な問題に対する解決行動が期待されています。問題発見、原因追及、解決策の立案、解決策の実行といった問題解決のプロセスを、自部署で展開するための問題解決力を身につけることが重要です。
【スキル・知識 例】 ロジカルシンキング・問題解決力
【問題解決力養成の関連セミナー】
・管理職・リーダーのためのロジカルシンキング・問題解決入門
④効果的なマネジメントの実践のためのマネジメントフレームワークの活用
マネージャーは、自部署を効果的にマネジメントしていくことが求められます。そのためには、自身の経験に基づくマネジメント方法だけではなく、マネジメント理論に基づくフレームワークも活用することが重要です。管理職には、主観的・経験的な考え方に加え、客観的・科学的な考え方を組み合わせることで、マネジメントの質的向上を図ることが期待されています。
【スキル・知識 例】 PDCA・OODAループ・KPIマネジメント・OKR
【効果的なマネジメント研修の関連セミナー】
・管理の基本 PDCAマネジメントの見直しと定着の進め方
・行動科学による人材マネジメントと組織活性化
・管理職に必要な人材・組織マネジメント
⑤企業の根幹を支える、コンプライアンス意識とリスクマネジメント能力
企業に対するコンプライアンスの要請が高まっている中で、現場をマネジメントするマネージャーのコンプライアンス意識も高める必要があります。自社の業種に関わる法律上の留意点のみならず、ハラスメントや情報セキュリティなど、日常業務におけるコンプライアンスの徹底とリスクマネジメント能力の向上を図ることが求められています。
【スキル・知識 例】 コンプライアンス・労務管理・リスクマネジメント能力
【リスクマネジメント研修の関連セミナー】
・管理職に必要な法律知識とコンプライアンス