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営業研修の2つの事例と研修のポイント

顧客の課題解決を自社の商品サービスを組み込んで提案し、Win-Winの営業を行う

研修の狙い

  • 営業のプロセスに必要なスキルのレベルアップを図る
  • 適切なヒアリングにより顧客の課題を探り、解決策の仮説を構築する
  • 自社の商品・サービスと顧客の課題を結び付け、解決策を提案する

ソリューション営業研修プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.ソリューションとは

(1)ソリューションとは ~顧客の課題やニーズを理解し、解決する
(2)ソリューション営業力強化のためのステップ
  ①ヒアリングによる顧客のビジネス課題やニーズを理解
  ②自社が提供できることを認識する
  ③ソリューションとしての提案内容を導き出す
(3)自身の営業戦略のシナリオを描く【講義とグループワーク】
  ①顧客への提案内容を検討する際にどのように顧客の課題やニーズを把握しているかを、グループで共有するワーク

2.顧客のビジネスを理解する

(1)情報収集のための信頼関係の構築(聞く前に調べる大切さ)
(2)業界や顧客企業に固有の情報を知る
(3)顧客の置かれた立場を理解する
(4)顧客の課題解決をゴールに置く

3.自社が提供できるベネフィットを認識する

(1)自社の強みの本質を見極める
(2)自社の商品サービスの枠を超えた、他社のサービスとの組み合わせから生まれる価値も考える

4.顧客のニーズを探る

(1)仮説を構築するうえでの質問力
(2)ヒアリングと仮説により、顧客のニーズを考える

5.ソリューションとしての提案

(1)伝えるスキル
  ①PREP法
  ②FABE法
(2)プレゼン資料のブラッシュアップ【講義とグループワーク】
  ①顧客から聞かれて説明しにくかった質問
  ②説明ツールの構成内容

6.まとめ

【ワーク】研修で学んだことを整理し、今後実践したいことを考える

営業基礎研修プログラム

※内容は、貴社のご要望に応じ、カスタマイズが可能です。
※時間の目安は10:00~17:00です。

1.お客さまが仕事をしたいと思う営業パーソンを考える

<ビジネスマナーの重要性の再認識と行動習慣を見直す>
(1)「売れる営業パーソン」「売れない営業パーソン」の特徴を考える【ディスカッション】
(2)ビジネスマナー
   ①なぜビジネスマナーが重要なのか
   ②ビジネスマナーの再点検
(3)営業パーソンとしての行動習慣
   ①約束・期日を守ることは社内・社外の信頼の生命線
   ②対応スピードで、差別化できる

2.営業活動の計画を立てる

<目的に応じた優先順位の付け方を行い、一か月の行動計画を作成>
(1)チームの営業目標とは
(2)自身の営業目標とは
(3)一か月先までのスケジュールの作成【講義と個人ワーク】
   ①仕事の優先順位の付け方
    「緊急でないが重要な仕事」はどうする?
   ②スケジューリングとタイムマネジメント
   ③スケジュール作成

3.訪問前の準備

<訪問の目的と事前準備のポイントをおさえる>
(1)訪問の目的と目標は何か
   ①訪問の主な目的は4つある(商談の流れ)
   ②訪問の目標を設定する
(2)目的を達成するために準備するもの

4.ヒアリングのスキル

<傾聴のスキル・質問のスキルを学びます>
(1)聴くことの重要性と聴き方
(2)お客さまのニーズを引き出す質問法

5.報告のスキル【講義とペアワーク】

<単なる報告に止まらず、次のアクションに向けた仮説立てやシナリオの作成のポイントを解説します>
(1)情報収集したことを上司に報告する
   (分かりやすく、報告・連絡・相談に区別して)
(2)お客さまのニーズは何か、提案お仮説を立てる
(3)次の行動のシナリオを立てる

6.まとめ

<今後の目標と実現に向けた行動を決める>

営業の定義・代表的スタイルと研修のポイント

営業研修を検討される方が知っておくべき、営業研修の基本知識や研修実施のポイントについて解説します。

1.営業とは

営業は、企業において顧客との接点を担う業務であるともに、企業の売上と利益を生み出す中心的役割を果たす業務です。

営業に含まれる企業の活動は広く、顧客に対する新商品情報の提供、顧客サイドの担当者との人間関係の構築、商談の実施などが該当します。

営業研修を検討する際には、社内で「営業」の活動内容等について共通認識を持っておくことが必要です。それでは、混同しがちな用語と対比して「営業」を考えていきたいと思います。

(1)営業と販売の違い

営業と販売は似た言葉ですが、部署や責任者を分けている企業もあります。それぞれの特徴をご説明します。

【営業(職)の特徴】
〇顧客に来店いただく店舗を持たないで、自分から商品を売り込みに行くイメージが強い
〇営業は購入意欲の薄い相手に商品の魅力を伝えることが重要
〇顧客の課題解決に重点を置いた提案を行う
〇代表的な営業スタイルは、ソリューション営業・インサイト営業

【販売(職)の特徴】
〇店舗に来店した「見込み顧客」に対して提案をし、商品の販売を行う
〇商品の在庫調整や売上管理など、営業をスムーズに進めるための裏方仕事が伴う
〇販売は購入意欲が強い人の要望に合わせて、適切な商品を勧める
〇製品のメリットを前面に打ち出しながらセールスを行う
〇代表的な営業スタイルは、プロダクト営業

営業・販売共に、顧客とのやりとりからニーズをくみ取り、顧客の課題解決や、目標達成のためのサポートをしながら、Win-Winの関係を目指す点は変わりありませんが、店舗に来店した顧客は、ニーズ喚起の必要がないことから、セールスプロセスが大きく異なってきます。

(2)営業とマーケティングの違い
マーケティングも、営業と混同しやすい仕事のひとつです。

営業は、顧客に対して商品やサービスを提案・販売するのが主な仕事です。顧客一人ひとりの顕在化した(或いは潜在的な)ニーズ・課題に対して、解決策を示しながら、適切な製品やサービスを販売していきます。

一方、マーケティングは、ターゲットとする市場に対して製品やサービスを通してアプローチします。有名な経営学者であるピーター・ドラッカー博士は、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」と述べています。

つまり、マーケティングの目的は、適切なターゲットに必要な情報を発信していくことで、「顧客が自然と買いたくなる仕組みをつくる」ことです。

とはいえ、高額な商品や無形サービスにおいては、マーケティングに加えて、顧客の信頼を獲得したり、顧客の問題解決に寄り添ったりする営業の力が必要不可欠です。

最近ではマーケティング一環としてWeb利用して、顧客からの接触を得た後に、営業が対応し、商品やサービスを提案することで、営業プロセスを効率化する事例がよく聞かれます。

2.代表的な営業スタイル

それでは、代表的な営業スタイルである「プロダクト営業」「ソリューション営業」「インサイト営業」について、ご説明をしたいと思います。

(1)プロダクト営業
プロダクト営業は、商品やサービスの特長や性能をアピールし、その魅力を顧客に訴求することで購入や成約を促します。自社の商品に明快な優位性がある場合に有効な営業手法です。

商品の性能に大きな差が生じなくなっていることや、インターネット上で検索すれば、商品・サービスに関する情報が容易に手に入れられるようになり、昨今では、プロダクト営業の手法は利用価値が逓減していると言われてはいますが、製造業などでは現在でも多くの企業がこの手法を取り入れています。

顧客の知識をはるかに凌駕する専門的知識を有する営業パーソンは、それ自体が他社と差別化する有効な手段であるからです。

(2)ソリューション営業
ソリューション営業とは、顧客の課題やニーズを解決(ソリューション)することに目的として、その解決策に自社の商品を提案する営業手法のことです。

商品やサービスを単に売るだけではなく、顧客の課題解決に焦点を当て、顧客のビジネスや事業成長に貢献することを目的としているため、顧客の納得度が高い営業が可能です。

ソリューション営業力の強化には、「ベネフィット」という概念を理解してもらうことが大切です。

ベネフィット(benefit) とは日本語では「利益」「恩恵」「便益」などを意味しますが、マーケティングにおいては「顧客が商品から得られる恩恵やプラスの効果」と解釈されています。

マーケティング界のドラッカーといわれるセオドア・レビット博士が著書『マーケティング発想法』で紹介している「ホームセンターにドリルを買いに来た顧客はドリルそのものが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ。それならキリでもいい。そのように、買い手の視点になろう」という逸話があります。

ベネフィットという概念を理解することが、「顧客の課題やニーズを解決するために自社の商品・サービスを提案する」基本となります。

(3)インサイト営業
インサイト営業とは、顧客の潜在的な問題点や課題を明確にし、それに対する最適な解決策を提供する営業手法です。ソリューション営業との大きな違いは「顧客が気づいていない課題や問題点」に対し「自社商品やサービスに止まらず」解決策として提案することが特徴です。

先ほどのドリルの逸話でご説明します。顧客の「本当に欲しいものは何か」を推察してはいるが、求めているであろう穴(を開ける道具)を売ろうという発想は、顧客が気付いている課題の解決であり、そこから一歩踏み込んで、「なぜ、穴を開けたいのか」を洞察し、明確顧客の潜在的なニーズを明確化した上で、解決策を提供することが、インサイト営業なのです。

インサイト営業のターゲットとなる顧客は、まだ課題を認識できていないため、まだ知らない課題を見つけてくれることに価値を感じます。そのため、解決策を提案する企業や営業パーソンが顧客にとって替えの効かない存在になれば、価格の競争は起こりにくくなるメリットがあります。

その反面、インサイト営業は、当事者である顧客自身も気付いていないニーズを見つけるためには、優れたヒアリング力(傾聴力)はもちろん、聞き取りを進める中で出てくる数多くの情報を分析し、問題の本質部分を探り当てる、洞察力が不可欠です。

こうしたスキルは営業においてかなり高度なものであるため、人材の確保や育成において労力を要する点がデメリットとなる可能性があります。

3.営業力向上にはOJTとOff-JTのどちらが適しているか

結論から申し上げると、OJTとOff-JTにはそれぞれ、メリット・デメリットがあり、目的によって使い分けるのが正しいと言えます。

営業力向上の方策としてOJTを中心に据えている企業は多くあります。営業は、顧客接点の最前線であり、相手のある仕事だからこそ、OJTで実際に営業同行等をしてもらいながら学ぶことは非常に重要です。

しかし、OJTは実践的なノウハウを学ぶうえで有効な手法ですが、万能ではありません。
例えば、コミュニケーションスタイルを考えてみても性格の違いがありますので、OJT指導者のコミュニケーションスタイルが、必ずしも育成対象者に適したものであるとは限りません。

このような場合は、Off-JTにより、コミュニケーションに関する体系的なノウハウの学ぶことにより、自分に合ったコミュニケーションスタイルを習得していくことが適しています。

コミュニケーション以外にも、営業活動のフレームワークや意思決定のプロセス、商品・サービスに関する体系的な知識の習得には、Off-JTの営業研修が向いています。

営業研修で身に付けるべきスキル

営業研修で、強化を図るべきスキルについて説明します。
以下の4つのスキルは、営業に必須のスキルですが、営業スタイルによって、必要とされる比重が異なると理解して下さい。

1.情報収集力

顧客が抱える課題を解決するためには、事前に業界や顧客の動向などを情報収集しておき、顧客とのコミュニケーションから得た情報を考慮し、多角的に分析して仮説を設定する必要があります。顧客の属する業界全体の動向や商習慣などについて知っていないと課題解決を提案するのは難しいことです。深さと幅のある情報を集められる営業担当者を育成することがカギとなります。

2.コミュニケーションスキル(質問力・ヒアリングスキル)

設定した仮説がニーズをとらえているかは、顧客にヒアリングして検証することしかできません。こちらが聞きたい質問をうまく投げかける質問力と顧客が自然と話したくなる関係を構築し、顧客の声を傾聴するヒアリングスキルが必要です。

3.仮説設定スキル

営業には、顧客からの情報や事前に調べた情報をもとに、顧客が抱える課題について仮説を設定し、顧客とすり合わせることで真の課題に迫っていくアプローチが必要です。

相手に関心を持ってもらうため、「こんな課題が社内で話題になっていないか?」や「こうしたら改善されないか?」といった仮説を伝えることで、相談相手として認められ、話す価値があると感じてもらえて、さらに踏み込んだ提案を受け入れてもらえるようになります。

4.プレゼンテーション力

お客様の語ったことを提案内容にしっかりと反映し、プレゼンテーションする力は、受注率に直接影響します。問題を洗い出し、そこから解決策を提示するには論理的に分析し考える力がないといけません。さらに、顧客の事業課題に適した提案を実行すれば解決できるという思いを持ってもらえるよう、分かりやすく筋の通った説明をする力も必要です。

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